7巻を読んでいて思い浮かんだネタ
カッとなって一晩で書いた
反省も後悔もしているが、折角なので投稿してみます。
(誤字脱字など、若干加筆修正)
(なんとなくにじふぁんにも投稿しはじめました)
寮の自室のドアを開けたらルームメイトが男に押し倒されていた。
しかもルームメイトが身につけているのはバスタオル一枚。
合意か?合意の上なのか?
それともレイプか?レイプなのか?
完全に凍りついた二人を見下ろし、暫し沈思黙考。
私は、右手でピースサイン(もちろんそれは2時間を意味している)。
曖昧な笑みを浮かべ、ひらひらと左手を振り、そのまま後退を開始。
つまり逃げる部屋を出ることにした。
「わぁ!待て誤解だ!」
ルームメイトを押し倒している男…織斑一夏が叫んだ。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
とりあえずルームメイト…篠ノ之箒さんに、服を着ていただくことにした。
織斑氏には事情を聞く。
で篠ノ之さんに確認を取る。
「まぁなんだね、女同士で住んでるとは言え、バスタオルだけでシャワールームを出る癖を直すべきかな」
「す、すまない…」
「で、問題は織斑君の部屋がココに割り当てられちゃったことだねぇ」
山田先生は天然というか、結構抜けていうか、まぁそういうタイプだからな。
おっぱいはおっきいんだけどねぇ
正直男が生徒になったんだから。もう少しカッチリした格好をするべきだよね。織斑先生みたいに。
あーでも似合わなさそ…
そんなことを考えながら、端末を操作し、山田先生に連絡を取る。
『え゛!じょ、冗談ですよね?』
「残念ですが、事実です、現に織斑君はこの部屋のキー、持ってますし」
『ど、どうしましょう?』
なんで生徒に相談するの?バカの子なの?
元代表候補生のはずなんだけどなぁ、この女性。
「はぁ」
『あ、ひどいです。嶋野さん今の溜息は――』
「はいはい、それより織斑君の部屋を直ぐに用意してください、先生」
『う゛実はですね…直ぐには無理なんですぅ』
はぁ?
泣きそうな山田先生を問いただすと。
なんでもこの一年生寮の空き部屋は、水道管やら電気配線に問題が有り、つまりインフラが整っていないため、使用できないそうなのだ。
そんなもん春休みの内に終わらせとけや、と思い、実際にボソリと漏らしてしまった所、山田先生はぼろぼろ泣き出した。
背後に非難の視線を感じるが、ちっと舌打ちし、通信を打ち切ることにした。
「とりあえず今日はどうにもできないでしょうし、今夜は織斑君を泊めます」
「「なっ!」」
『そーゆー訳には!』
「山田先生、“僕”が居るから大丈夫ですよ」
含みを込めてそう言うと、私の個人的な事情を思いだしたのか?
山田先生は納得したようだ
『あ~、はい。じゃぁ、すいませんがよろしくおねがいします。嶋野さん』
「「えっ!」」
あっさりと山田先生が納得したことに後の二人が驚く。おおハモった
「仲がいいねぇ二人とも、息がぴったりあってるよ」
二人をからかうと、織斑君は「まぁ幼馴染だからな」と言い。
篠ノ之さんもまんざらではなさそうだ。
はいはい、ご馳走様。
「いや、そうじゃなくてだな」
「そうだ!男女7歳にして――」
「はーい、はいはい。じゃぁどうする?廊下かロビーで寝るかい?織斑君」
「う…」
私は二組だが、昼間の騒ぎは見ている。
そんなところに居ようものなら、朝には身包み剥がされている可能性が有る。
「なら気心の知れた幼馴染の所にご厄介になるのは有りでしょう?」
「まぁそれはそうだが…お前はいいのかよ」
「お前ェ?」
「あ、すまん…だけど俺、おま、いや貴方の名前を知らないし」
「そういえば自己紹介してなかったか。シマノカオル。シマはやまどり嶋、ノは野原の野でカオルは井上馨の馨。よろしくね織斑一夏くん」
「えーと名前でいいか?」
「知り合って1時間も経っていない君に、ファーストネームを許す理由は無いね。嶋野“さん”とさん付けで呼(べやデコ助)ぶ事を要求します」
「はい…」
「篠ノ之さんは是非名前で呼んで頂戴。私も箒さんとお呼びしたしたいし」
「う、うむ…善処する」
ルームメイトと苗字で呼び合う問というのは少々…ねぇ?
なにやら織斑君が恨みがましい視線を送っている気もするが、無視無視と。
「で、嶋野…さん。貴方は嫌ではないのですか?男が一緒の部屋でも」
「うん。まぁ平気かな」
「なんでだよ?」
さてどうしたものか…
「二人はISというのを知っているかい?」
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
「はぁ?」
「何を…」
「勿論、インフィニット・ストラトスのことじゃないよ?」
「一体…あ、もしかして」
へぇ織斑君は案外物知りなんだな。
「そう、intersexual…“僕”はつい数年前まではそうだったのさ」
intersexual…通称ISとも。
医学的には性分化疾患。
色々言い方や症状はあるけども、男でも女でもなく生まれついた者。
「私は小学校に上がる前に両親を亡くしていてね、遠縁の嶋野の家に養子に入ったんだ」
死んだ両親が、どんな思いで自分をISとして育てのかは、知りようは無い。
普通は生まれて直ぐ、あるいは子供のうちに、どちらかの性別になるようにするものなのだそうだ。
だが、何も告げず、何も残さず、両親は逝った。
だから自分がISだとは知りもしなかった。
自分は“男”だと信じて生きてきた。
「ところがぎっちょん。中学校に上がった直後だね。ちょっとしたことでISに触れたら、ISが反応した」
「それって…」
「そう、君と同じだね。で上に下にの大騒ぎの結果、自分がISだってことが判明したわけ」
僕の場合は遺伝子レベルでは正真正銘の女の子なのだそうだ。
つまり染色体はXX。
「でまぁ、女性化手術をして、女の子として生きていくことを決意したわけさね」
「…」
なにせISの出現以来、何かと女性の方がトクなのは事実なのだから。
「とはいえねぇ、物心ついてから十年。男として生きてきたわけだからね、そうは上手くいかない、色々と苦労も多いんだよ?」
IS学園の入学を考慮して、中学からいわばIS学園受験コースを志願したわけだけど、それはつまり女子学校に通うってことだからねぇ
「色々大変だったんだな」
「その一言で済むレベルではないけどね、ま大変さ加減では君の方が上でしょう?織斑君…世界で唯一の男のIS操者さん」
「…」
「まぁでも、“僕”としてはこの女の園に、精神的な意味で同性が居るのは、ちょっと嬉しいよ」
すいと右手を差し出す。
「私と友達になってくれるかな?織斑一夏君?」
これは彼にとっても悪い提案ではないはず。
正真正銘、女の園に迷い込んだ男としては、多少なりとも気心の知れた友人ができるのは、楽なはずだ。
中学校時代の苦労を知ってる僕が言うのだ、間違いは無い。
「こちらこそよろしく。で名前で呼んで良いか?」
彼がこちらの手を取り、友情のシェイクハンド。
「もちろん、何ならあだ名でも結構だよ、僕も一夏と呼ばせてもらうから」
「おう、よろしくな馨」
おっとそれ以上の接触は禁止だ一夏。
心は兎も角、私の体は貧相とはいえ女の子なんだからな。
あと君汗臭いよ、シャワーを浴びてきたまえ。
そう言って一夏をシャワールームに追いやる。
「…」
いまいち事の成り行きについてこれず、まるで空気の様だった篠ノ之さんの横に座る
「さて箒さん」
「な、なんだ」
おや尻一つぶん横に逃げた。
「今までの話を総合して、今夜はどうしよう?」
再度横に座り、(なにせ元男の子なので)ハスキーな声で篠ノ之さんに囁きかける。
「どう…とはなんだ、どうとは」
「どちらが一夏と一緒に寝るかってこと」
ぼんっと篠ノ之さんが紅くなる。かわいいねぇ
「箒さんが一夏と寝る?」
「ばっ!ばかを言うな!男女は――」
「じゃぁ“僕”と寝る?悪いけど精神的な意味では、僕は男だよ」
「む…」
「それとも…“私”が一夏と寝ても良い?」
「それはだめだ!」
おやおや
「じゃぁ箒さんは私と一緒に寝るってことで」
「いっ一夏を床に寝かせればいい!」
「それはちょっと可哀想だと思うよ?」
「~~~っ!」
やぁやぁこんなナイスバディの美少女と同衾たぁ、ラッキーだねぇ
一夏さまさまだ
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
そんな訳で夜。
さすがにIS学園の寮、二人部屋だというのに、ちょっといいホテル並にベッドが広い。これ以上からかったり、必要以上に密着すると…
ぶっちゃけ殺されそうなので、箒さんとは適当に距離をとって寝ることができる。
ま、しかしあれだね一夏は鈍感だねぇ。
箒さんもこりゃぁ苦労しそうだ。
消灯時間にはなったが、まだ早い時間だ。小学生じゃあるまいし、こんな時間には眠れない。
そんなわけでつらつらと世間話をする。
数年振りに再開した幼馴染の会話の邪魔をするの野暮だし、私は極力発言を控え、話を振られた時だけ、返事をする。
「へぇ馨は、研究者志望なのか」
「うん、進級したら整備科にいくよ、二人とも是非頼ってちょーだい、特に一夏は専用機、配備されるんでしょ?」
「ああ、そうらしいな」
「おい、ちょっと近いぞ馨」
「いいじゃん…女同士なんだから」
「お前、心は男だと、言っていたではないか」
「はぁはぁ、箒タン良い匂いだよいち――ごふっ!」
みぞおちを!みぞおちをぉ!
「男が横で寝てんのに、慎みがたんねぇぞ馨」
「このおっぱいがいけ――ぐぅぇ」
おにんにん無くても股間は痛いのよ箒たーん。
あ、そこはらめぇぇぇぇ
暗転
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
SIDE:箒
まったくなんだこの生き物は!
こうなったら私が慎み深い女性というものをきっちり教え込む必要が有るな!
…
…む、それは何かまずい気もするな。
…気のせい、気のせいだ
SIDE:一夏
なんか色々有りすぎて疲れた一日だったけど。
箒にも再開した
ちょっと変な奴だけど、友達も出来た。
たしかに女だらけの中に、男心を知ってくれて奴が居るのはありがたいな。
組が違うのが残念だけど。
二組なら合同演習も多いらしいし、問題ないだろ。
…ふぁ、寝るか
END? つづく
一夏に“友達”を作ってみた