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[27026] 【一発ネタ】IS~Friend~【続きま→あれ?続いた?】
Name: madoka◆5b5f0563 ID:bd863772
Date: 2011/04/11 07:19
7巻を読んでいて思い浮かんだネタ
カッとなって一晩で書いた
反省も後悔もしているが、折角なので投稿してみます。

(誤字脱字など、若干加筆修正)
(なんとなくにじふぁんにも投稿しはじめました)





 寮の自室のドアを開けたらルームメイトが男に押し倒されていた。
 しかもルームメイトが身につけているのはバスタオル一枚。
 合意か?合意の上なのか?
 それともレイプか?レイプなのか?
 完全に凍りついた二人を見下ろし、暫し沈思黙考。
 私は、右手でピースサイン(もちろんそれは2時間を意味している)。
 曖昧な笑みを浮かべ、ひらひらと左手を振り、そのまま後退を開始。
 つまり逃げる部屋を出ることにした。

「わぁ!待て誤解だ!」

 ルームメイトを押し倒している男…織斑一夏が叫んだ。






              \(゜ロ\)(/ロ゜)/






 とりあえずルームメイト…篠ノ之箒さんに、服を着ていただくことにした。
 織斑氏には事情を聞く。
 で篠ノ之さんに確認を取る。

「まぁなんだね、女同士で住んでるとは言え、バスタオルだけでシャワールームを出る癖を直すべきかな」
「す、すまない…」
「で、問題は織斑君の部屋がココに割り当てられちゃったことだねぇ」

 山田先生は天然というか、結構抜けていうか、まぁそういうタイプだからな。
 おっぱいはおっきいんだけどねぇ
 正直男が生徒になったんだから。もう少しカッチリした格好をするべきだよね。織斑先生みたいに。
 あーでも似合わなさそ…
 そんなことを考えながら、端末を操作し、山田先生に連絡を取る。

『え゛!じょ、冗談ですよね?』
「残念ですが、事実です、現に織斑君はこの部屋のキー、持ってますし」
『ど、どうしましょう?』

 なんで生徒に相談するの?バカの子なの?
 元代表候補生のはずなんだけどなぁ、この女性ひと

「はぁ」
『あ、ひどいです。嶋野さん今の溜息は――』
「はいはい、それより織斑君の部屋を直ぐに用意してください、先生」
『う゛実はですね…直ぐには無理なんですぅ』

 はぁ?
 泣きそうな山田先生を問いただすと。
 なんでもこの一年生寮の空き部屋は、水道管やら電気配線に問題が有り、つまりインフラが整っていないため、使用できないそうなのだ。
 そんなもん春休みの内に終わらせとけや、と思い、実際にボソリと漏らしてしまった所、山田先生はぼろぼろ泣き出した。
 背後に非難の視線を感じるが、ちっと舌打ちし、通信を打ち切ることにした。

「とりあえず今日はどうにもできないでしょうし、今夜は織斑君を泊めます」
「「なっ!」」
『そーゆー訳には!』
「山田先生、“僕”が居るから大丈夫ですよ」

 含みを込めてそう言うと、私の個人的な事情を思いだしたのか?
 山田先生は納得したようだ

『あ~、はい。じゃぁ、すいませんがよろしくおねがいします。嶋野さん』

「「えっ!」」

 あっさりと山田先生が納得したことに後の二人が驚く。おおハモった


「仲がいいねぇ二人とも、息がぴったりあってるよ」

 二人をからかうと、織斑君は「まぁ幼馴染だからな」と言い。
 篠ノ之さんもまんざらではなさそうだ。
 はいはい、ご馳走様。

「いや、そうじゃなくてだな」
「そうだ!男女7歳にして――」
「はーい、はいはい。じゃぁどうする?廊下かロビーで寝るかい?織斑君」
「う…」

 私は二組だが、昼間の騒ぎは見ている。
 そんなところに居ようものなら、朝には身包み剥がされている可能性が有る。

「なら気心の知れた幼馴染の所にご厄介になるのは有りでしょう?」
「まぁそれはそうだが…お前はいいのかよ」
「お前ェ?」
「あ、すまん…だけど俺、おま、いや貴方の名前を知らないし」
「そういえば自己紹介してなかったか。シマノカオル。シマはやまどり嶋、ノは野原の野でカオルは井上馨の馨。よろしくね織斑一夏くん」
「えーと名前でいいか?」
「知り合って1時間も経っていない君に、ファーストネームを許す理由は無いね。嶋野“さん”とさん付けで呼(べやデコ助)ぶ事を要求します」
「はい…」
「篠ノ之さんは是非名前で呼んで頂戴。私も箒さんとお呼びしたしたいし」
「う、うむ…善処する」

 ルームメイトと苗字で呼び合う問というのは少々…ねぇ?
 なにやら織斑君が恨みがましい視線を送っている気もするが、無視無視と。

「で、嶋野…さん。貴方は嫌ではないのですか?男が一緒の部屋でも」
「うん。まぁ平気かな」
「なんでだよ?」

 さてどうしたものか…

「二人はISというのを知っているかい?」






                  \(゜ロ\)(/ロ゜)/






「はぁ?」
「何を…」
「勿論、インフィニット・ストラトスのことじゃないよ?」
「一体…あ、もしかして」

 へぇ織斑君は案外物知りなんだな。

「そう、intersexual…“僕”はつい数年前まではそうだったのさ」

 intersexual…通称ISとも。
 医学的には性分化疾患。
 色々言い方や症状はあるけども、男でも女でもなく生まれついた者。
 
「私は小学校に上がる前に両親を亡くしていてね、遠縁の嶋野の家に養子に入ったんだ」

 死んだ両親が、どんな思いで自分をISとして育てのかは、知りようは無い。
 普通は生まれて直ぐ、あるいは子供のうちに、どちらかの性別になるようにするものなのだそうだ。
 だが、何も告げず、何も残さず、両親は逝った。
 だから自分がISだとは知りもしなかった。
 自分は“男”だと信じて生きてきた。

「ところがぎっちょん。中学校に上がった直後だね。ちょっとしたことでISに触れたら、ISが反応した」
「それって…」
「そう、君と同じだね。で上に下にの大騒ぎの結果、自分がISだってことが判明したわけ」

 僕の場合は遺伝子レベルでは正真正銘の女の子なのだそうだ。
 つまり染色体はXX。

「でまぁ、女性化手術をして、女の子として生きていくことを決意したわけさね」
「…」

 なにせISの出現以来、何かと女性の方がトクなのは事実なのだから。

「とはいえねぇ、物心ついてから十年。男として生きてきたわけだからね、そうは上手くいかない、色々と苦労も多いんだよ?」

 IS学園の入学を考慮して、中学からいわばIS学園受験コースを志願したわけだけど、それはつまり女子学校に通うってことだからねぇ

「色々大変だったんだな」
「その一言で済むレベルではないけどね、ま大変さ加減では君の方が上でしょう?織斑君…世界で唯一の男のIS操者さん」
「…」
「まぁでも、“僕”としてはこの女の園に、精神的な意味で同性が居るのは、ちょっと嬉しいよ」

 すいと右手を差し出す。

「私と友達になってくれるかな?織斑一夏君?」

 これは彼にとっても悪い提案ではないはず。
 正真正銘、女の園に迷い込んだ男としては、多少なりとも気心の知れた友人ができるのは、楽なはずだ。
 中学校時代の苦労を知ってる僕が言うのだ、間違いは無い。

「こちらこそよろしく。で名前で呼んで良いか?」

 彼がこちらの手を取り、友情のシェイクハンド。

「もちろん、何ならあだ名でも結構だよ、僕も一夏と呼ばせてもらうから」
「おう、よろしくな馨」

 おっとそれ以上の接触は禁止だ一夏。
 心は兎も角、私の体は貧相とはいえ女の子なんだからな。
 あと君汗臭いよ、シャワーを浴びてきたまえ。
 そう言って一夏をシャワールームに追いやる。

「…」

 いまいち事の成り行きについてこれず、まるで空気の様だった篠ノ之さんの横に座る

「さて箒さん」
「な、なんだ」

 おや尻一つぶん横に逃げた。

「今までの話を総合して、今夜はどうしよう?」

 再度横に座り、(なにせ元男の子なので)ハスキーな声で篠ノ之さんに囁きかける。

「どう…とはなんだ、どうとは」
「どちらが一夏と一緒に寝るかってこと」

 ぼんっと篠ノ之さんが紅くなる。かわいいねぇ

「箒さんが一夏と寝る?」
「ばっ!ばかを言うな!男女は――」
「じゃぁ“僕”と寝る?悪いけど精神的な意味では、僕は男だよ」
「む…」
「それとも…“私”が一夏と寝ても良い?」
「それはだめだ!」

 おやおや

「じゃぁ箒さんは私と一緒に寝るってことで」
「いっ一夏を床に寝かせればいい!」
「それはちょっと可哀想だと思うよ?」
「~~~っ!」

 やぁやぁこんなナイスバディの美少女と同衾たぁ、ラッキーだねぇ
 一夏さまさまだ






                 \(゜ロ\)(/ロ゜)/






 そんな訳で夜。
 さすがにIS学園の寮、二人部屋だというのに、ちょっといいホテル並にベッドが広い。これ以上からかったり、必要以上に密着すると…
ぶっちゃけ殺されそうなので、箒さんとは適当に距離をとって寝ることができる。
 ま、しかしあれだね一夏は鈍感だねぇ。
 箒さんもこりゃぁ苦労しそうだ。

 消灯時間にはなったが、まだ早い時間だ。小学生じゃあるまいし、こんな時間には眠れない。
 そんなわけでつらつらと世間話をする。
 数年振りに再開した幼馴染の会話の邪魔をするの野暮だし、私は極力発言を控え、話を振られた時だけ、返事をする。

「へぇ馨は、研究者志望なのか」
「うん、進級したら整備科にいくよ、二人とも是非頼ってちょーだい、特に一夏は専用機、配備されるんでしょ?」
「ああ、そうらしいな」
「おい、ちょっと近いぞ馨」
「いいじゃん…女同士なんだから」
「お前、心は男だと、言っていたではないか」
「はぁはぁ、箒タン良い匂いだよいち――ごふっ!」

 みぞおちを!みぞおちをぉ!

「男が横で寝てんのに、慎みがたんねぇぞ馨」
「このおっぱいがいけ――ぐぅぇ」

 おにんにん無くても股間は痛いのよ箒たーん。
 あ、そこはらめぇぇぇぇ

 暗転






                  \(゜ロ\)(/ロ゜)/






SIDE:箒


 まったくなんだこの生き物は!
 こうなったら私が慎み深い女性というものをきっちり教え込む必要が有るな!
 …
 …む、それは何かまずい気もするな。
 …気のせい、気のせいだ



SIDE:一夏


 なんか色々有りすぎて疲れた一日だったけど。
 箒にも再開した
 ちょっと変な奴だけど、友達も出来た。
 たしかに女だらけの中に、男心を知ってくれて奴が居るのはありがたいな。
 組が違うのが残念だけど。
 二組なら合同演習も多いらしいし、問題ないだろ。
 …ふぁ、寝るか





END? つづく

一夏に“友達”を作ってみた



[27026] 【何故続けたし】クラス代表決定戦にまつわるアレコレ・前編【誰得】
Name: madoka◆5b5f0563 ID:bd863772
Date: 2011/04/11 06:22
「聞いたよ一夏、オルコット嬢にケンカ売ったんだって?」

 昼食を摂る生徒で賑わうというよりはもはや混雑する学園の食堂。
 なにやら箒さんと手を握りながら一夏がやってきた。
 おやおや見せ付けちゃって、周囲の視線が集まってるが…ありゃ、二人の世界だな。
 空いている席を探してきょろつく二人を手招きする。
 で開口一番がさっきのセリフだ。

「もう知れ渡ってんのか」
「学園中にね。でなんだって一夏は箒さんの手を握ってご飯に来たんだい?」
「それはな…」

 と、一夏がコトの次第を説明する…ふぅん。

「気持ちはわかんないでもないけど、ちょっとお節介じゃないかな?」
「それは!」
「だいたい、友達ならもう一人いるじゃない?ねー箒さん♪」
「誰のことだ」

 うわっ、ひどっ!

「酷いや箒さん…昨日は」

 一緒に寝た仲なのに…と続けようとしたら、ものすごい勢いで睨まれた、漫画なら「ぎんっ!」とかいう擬音が付きそうなレベルで

「それよりさぁ、ISのこと教えてくれないか?このままだと来週――」
「何も出来ずにコテンパンにやられるだろうねぇ、相手が悪いよ」
「下らない挑発に乗るからだ、馬鹿め」

 それいったらおしまいでしょ…箒さん

「私は手伝うよ一夏」
「おお!いいのか?」
「友達だろ?僕たち」
「ま、待て!ここは幼馴染である私が!」

 あ、あっさり食いついた、ちょろいなぁ箒さん。

「二人ともありがとう!助かる!」
「…くっ」

 怖いから睨まないで下さい。

「今日の放課後」
「ん?」
「剣道場にこい、まず腕がなまっていないか確かめる」
「いや俺は」
「いいんじゃない、フィジカルの方は箒さんにお任せするよ」
「よし、決まりだな」
「いや、俺の意見は…」

 しーらないっと
 さぁて、頑張って一夏にクラス代表になってもらわないとね…ふふっ



                  \(゜ロ\)(/ロ゜)/



「あ、おかえり」
「た、ただいま…」
「なんて格好をしてるんだお前」

 散々箒に竹刀でぶったたかれ、ふらふらしながら部屋に戻ると、馨がカロリー○イトを咥えながら、端末を弄っていた。
 格好は肌襦袢一枚だが、さっぱり色気がない。
 まぁ仕方ないんだろうけど。
 そんな馨に、箒がわなわなと震えている。

「昨日箒さんが着てるのみてまねっこ、どう似合ってる?」
「カオルはカオルでも由○かおるだったら良かったのにな」
「・・・親父ギャグとか最低」
「死ね馬鹿」

 場を和ませるジョークのつもりだったんだよぉ

「で一夏の腕前はどうだったの?箒さん」
「話にならん」
「あらまー、とにかくそっちの特訓は箒さんにお任せだね、どうせ訓練機の貸し出し申請出しても月曜には間に合わないし」
「そうなのか?」
「金土日と自主練したい先輩方の予約で一杯だったよ、本当は一時間でも多くISに乗ったほうがいいけど、しょうがないね」

 馨曰く「五月にはクラス代表同士の交流戦あるしね、さすがに先輩は余念がないよ」
 むぅ…

「ま、一夏は専用機持ちになるんだし、下手に量産機に乗って、変なクセでもつけるとまずいかもしれないし、いいんじゃない」
「そんなもんか?」
「そんなもんじゃない?とにかくご飯食べて、お風呂までは作戦会議といこう」

 半纏を羽織った馨はそう言って寮の食堂へと向かう。
 まぁ、俺達三人の中では、明らかにコイツが一番頭良いみたいだし、お任せするか…





              \(゜ロ\)(/ロ゜)/





「現時点での一夏の勝率は1%未満、そこはいいかな?」
「はっきりいうな…」
「君はIS稼働時間一時間未満の上に、つい先日はただの中学生だった一般人。
 対してオルコット嬢は、専用機のテストパイロットである代表候補生、下手な自衛隊員よりも訓練をしてる。
 君が負けて、当たり前じゃない、普通な0%だよ」
「ぐっ…」
「君に僅かながら勝機があるのは、まず君の専用機がまだ完成していない未知の機体であること。
 君が素人であるがゆえの、ビギナーズラック・・・というか素人ゆえの予想にもつかない行動がラッキーヒットをかます場合。
 たとえば開始と同時につっこんで、まずオルコット嬢のおっぱいをも――ひでぶっ!」

 箒…馨は俺ほど頑丈じゃないから竹刀で叩くのは止めた方がいいと思うぞ。

「イタタタ…結構有効な策だと思うんだけどね」
「真面目にやれ」
「はい…さてフィジカル面でのトレーニングは箒さんに一任するとして、私の方はどうやってオルコット嬢と戦うか、そのお手伝いをするよ」

 具体的には――といって馨は大量のデーダディスクを取り出す。

「まずはオルコット嬢とその専用IS【ブルーティアーズ】に関することから、孫子曰く――」
「『敵を知り、己を知らば、百戦危うからず』か」
「そゆこと、さっきもいったけど、逆にオルコット嬢は一夏に関するデータを殆ど集められないからね、その点では有利だ」
「ふむ、利に適っているな」
「次は『己を知る』だね、まだ一夏のISは届いてないみたいだけど、現状で一夏の取れる戦法はあまり多くない、射撃兵装は…牽制や面制圧ができるなら兎も角、点射や狙撃は素人には無理、だから近接戦闘を取るしかない。
 そういう意味では箒さんに剣の稽古をつけてもらうのはいいことかもね」

 馨は一枚のデータディスクを端末に差し込み、動画を画面に呼び出す。
 そこに映し出されたのは・・・

「これは!」
「第一回モンドグロッソ。織斑先生の戦闘映像だよ、先生のIS【暮桜】の兵装はたった一本のブレードだけ。色々参考になるよ」
「このデータディスク山は」
「半分は織斑先生の、残りはISの空戦機動の戦技教本データや、あとオルコット嬢のデータだね」
「どんだけあるんだよ…」
「実際に動いて覚えられないんだ、『見て』覚えるんだよ。ふふ今夜は寝かさない――ひでぶっ!」

 精一杯色っぽい感じで俺に迫ってきた馨に箒のつっこみが入る。
 …だから竹刀はやめとけって
 当たり所が悪かったのか、馨がふらふらと殴った箒に寄りかかる。

「ちょっ!どこに触ってるんだ!離せ!離さんか!」
「ふかふかおっぱい…」
「おい一夏!こいつを引き剥がせ!」
「お前が殴ったんだろう、介抱してやれよ」

 千冬姉の映像に心奪われている俺はそちらも見ずに適当に答える。

「くっ離せ!というか触るな!顔を押し付けるな!動かすなぁぁぁ!」

 何か破滅的な音がしたが俺は気にしないことにした。



[27026] 【一巻分までは続く?】クラス代表(中略)中編【オリキャラの崩壊がとまらない】
Name: madoka◆5b5f0563 ID:bd863772
Date: 2011/04/11 08:00
巻頭付録
オリキャラのスペック

名前:嶋野馨(しまのかおる)
年齢:16(実はダブリ)
性別:女性(IS・男性として10年以上生活)
身長:175cm
体重:60kgないしょ!
3サイズw B:81(A) W67 H86
一人称:私(普段、女性を意識した場合)僕(男性を意識した場合)が混在
IS適正:C
専用IS:なし
特記事項:ISインターセクシャル、精神的には男性の意識が強く、変態的な言動(特に乳への感心が大)が多い
     IS操縦者としては並み(よりやや下)研究者志望であり、二年次には整備科へと進む予定
     家族構成:両親、祖母、兄(ただし養子のため義理の関係)








 まだ首が痛い、もう箒たんたら照れ屋さん☆

「いい加減にしないとホントに殺されるぞ」

 はは、あのおっぱいを堪能できたのだから、もう死んでもいいよ
 や、良くないけどね

「それはさておき、これがオルコット嬢の専用IS【ブルー・ティアーズ】のスペック」

 箒さんは入浴のため大浴場へ赴いて不在。
 できれば私も男子禁制のパライソへと赴きたいけど…
 箒さんが怖い時間も惜しいので早速勉強に移ることにする。
 端末を操作し、モニターにブルー・ティアーズのデータを映す。

「すげぇな、どうやって手に入れたんだ?」
「公開されてるデータを下に、本日の放課後、オルコット嬢が訓練しているアリーナに偵察にいって、私が修正したモノだよん」
「ああ、アングルが変なのはそのせいか…」

 私が隠し撮り撮影した、訓練飛行しているオルコット嬢の映像を見て、一夏が白い視線を向けてくる。

「へへ、いいお尻だよね、白人さんとしてはおっぱいは控えめだけど、スタイルが凄く良いんだよねぇ、セシリアたんは、うらやましいねぇ」
「たん言うな…お前はそれしか頭に無いのか」
「十代男子なんてそんなもんだよ、一夏がおかしいんだって」

 お前体は女だろうって、まぁそうだけどさ、一夏は淡白だねぇ
 やっぱり織斑先生と二人暮しだった、てのがいけないのかな?
 あんな美人のお姉さんと二人暮し、そりゃ十代の小娘なんて目じゃないよね。
 織斑先生ではぁはぁするのは、まじで生命の危機に直結してるので止めて置くことにする。

「あ、おかずが必要なら秘蔵のデータを提供するよ、箒さんは上手く僕が連れ出してあげるからいつでも言ってね」
「真面目に頼む」
「はーい」

 あんまり溜め込むと体に悪いよ?
 こほん
 英国製第三世代IS【ブルー・ティアーズ】、専用装備である誘導兵器「ブルー・ティアーズ」を運用するための機体で、戦闘スタイルは中距離射撃型。
 でこのブルー・ティアーズというのは、ようするにビ○ト、あるいはファン○ルである。

「ぶっちゃけたな、おい」
「この手の兵器はそう呼ばれる宿命にあるのさ」

 基本的には「一体で多数の敵を相手取る」機体ではあるけど、タイマンでも当然強い。 
 むしろチームを組んで一体の敵と相対するのが苦手なんじゃないかなぁ
 欧州では唯一の島国でハブ気味の英国製らしい、っちゃらしい機体だ。

「とりえず今日は撮って来た映像と、公開されてる映像の検証をしようか」

 ちょいとやばい橋を渡ってゲットした映像を含め、結構な量のデータが有る、検証には十分だろう。
 一夏は真剣な表情で、オルコット嬢の動きを。
 私は主に揺れるおっぱいとか、ほぼ丸出しのお尻とか、ちょっとしか見えないのが逆にそそる太もも、つまり「シリチチフトモモ」を、愛でることにした。






                 \(゜ロ\)(/ロ゜)/






「何をしてるんだ貴様らは…」
「おっぱいかんしょ――ぎゃー!」

 目が!目に!指が!

「おう箒お帰り」
「なんだ、対戦相手の研究か」

 目への激痛でのた打ち回る私をよそに幼馴染二人は和気藹々と会話している!
 なにこれ!ひどくない?

「幾つか分かったことがあるぜ」
「ほぅ」
「おそらくバストサイズは――ぎゃー!」

 目がぁ!目がぁ!
 ムスカ大佐の真似してる場合じゃないレベルで目がぁ!

「…まずこのブルー・ティアーズ、基本的に死角から攻撃するのがパターンだな」
「ISに死角は無いだろう」
「たしかにISはハイパー・センサーのお陰で360度視界を持ってるけど、人間の方がそれを処理する上では死角はあるよ」
「ああ、模擬戦の映像を見ると、そんな感じだ」
「ふむ」
「あと、セシリアはこのブルー・ティアーズを誘導している時は、それに集中しているみたいだな、明らかに動きが鈍い」
「目がいいね一夏は、所でこの腰のくびれからお尻のラインがたまんないと思わない?」

 あ、とうとう無視された…それが一番キツイですぅ







                \(゜ロ\)(/ロ゜)/







 そんなこんなで日曜日。
 いよいよ明日は対戦である。

「今日は休養日にしよう、一日かけて一夏は今日までの知識を脳に染み付かせて」
「やってみる…」

 ほぼちんぷんかんぷんだろう授業に。
 動物園のパンダ並みに女子に騒がれるストレス。
 箒さんの地獄の特訓
 そして深夜まで続く私との勉強会→寝不足
 以上のせいで一夏はもうぼろぼろだった、さすがにこれでは試合以前の問題だ。

「でいいかな?箒さん」
「構わん、大分マシになってきたしな」
「た、助かった…」

 べとりとベッドに倒れこむ一夏、あははキツそうだなぁ

「そうだ、いいものがあるんだ、三人でいこうか?」
「なんだ?」
「じゃーん!」

 ドラ○もんのように差し出した、携帯端末の画面にはクーポンメールが映っている。

「スーパー銭湯の割引クーポンか」
「一夏もでかい風呂に入りた言ってたしね」
「おお…いいな」
「午前中はゆっくり休んで、午後から出よう、昼ごはんも私がいい店知ってるから」

 半ば思考放棄の一夏はただ頷き、箒さんも「これはデ、デートか?」と小声でぶつぶつ言っている。
 あー私ってば空気扱いですかー?






                 \(゜ロ\)(/ロ゜)/






「旨かったけど、いいのか本当におごりで?さっきの店かなり高いだろ」

 まずは昼ごはんということで、知り合いのてんぷら屋さんで昼食をいただきました。
 やーあいかわらずあそこのアイスのてんぷらは絶品だね

わたくしお金持ちなの、お気になさらないでよくってよ?一夏さん」
「それセシリアの真似か?」

 ちがいます。
 実は女性化手術で入院してた時に、暇つぶしでやったFXで稼いだ貯金が結構有るんだよね。

「さて、私と箒さんはちょっと買い物があるから、一夏はそこの本屋で立ち読みでもしてて」
「なんだよそれ、仲間はずれか」
「お、おいそんな話は聞いて無いぞ」
「だって聞かれなかったし~。一夏も女性用の売り場で居心地の悪い思いしないで済むんだから、僕の配慮に感謝しなよ」

 いぶかしむ一夏を置き去りにし、ぐずる箒さんの手を引いてショッピングモールのとある店へと飛び込む。

「な!なんでこんな店に用事が」
「やっほー香月さーん、おひさー」
「いらっしゃい馨ちゃん、そちらがお友達?」
「そ、ルームメイトの篠ノ之箒さん、昨日のメールの件よろしくっ!」
「はいはい」
「馨!一体何が!」

 ふふ、気にしない気にしない…げへへ






((((((((((((((((/ロ゜)/






「なんだここは」

 立ち込める湯気、柔らかな水の音、何いってるのさ一夏

「スーパー銭湯だよ」

 ここに来るのが目的でしょうが。

「何故私は水着を買わされて、着させているのだ」

 もじもじしながら箒さんが言う、ちょっと声が怖いんですが

「水着混浴スーパー銭湯だから」
「「聞いてないっ!」」

 おおハモったね、でも・・・

「言って無いも~ん」

 クーポンを用意したスパはファミリー層をメインにしたレジャーっぽいトコなんだよね。
 水着着用で風呂ってのは日本人にはちょっと抵抗があるみたいだけど。
 そのせいで居るのは若い子ばっかりー
 まぁ男子の大半が女子にこき使われるようになって数年だけど。
 こーゆーことに使われる男子のリビドーはさすがはHENTAI国家NIPPONだね。
 ちなみに入り口は男女別で体を洗ってから、水着を着てから浴場に入りますので。
 初見だとだまされるんだよねぇケケケケ
 ひゃっほー女の子イパーイ!オパーイ!オシーリ!フトモーモ!
 男?ミエナーイ!

「そうか何も見えないようにしてやろう」

 え?
 グリッ
 目がぁ!目がぁ!このネタ三度目ぇ!

「まぁ馨の馬鹿は置いといて、風呂入ろうぜ、電気風呂に炭酸風呂、蒸気サウナ・・・色々あるんだな」
「う、うむ」
「なんだ箒もじもじして、ト――いてぇ!」
「思ってもソレを口にしちゃなんねぇよ…一夏サン」

 この子はデリカシーがなさ過ぎる。

「へっへー可愛いでしょう?箒さんの水着、私がチョイスしました」
「良く売ってたなこんな時期に」
「兄貴の友人にブティックしてる女性ひとがいてね、ツテで」

 ちなみに箒さんはセパレート、トップスはスポブラみたいなハーフトップのタンクトップ、アンダーもショートパンツ型。
 正直もっとエロイにしたかったけど、ここはあんまりエロイの入場拒否されちゃうんだよね。
 まぁ十分エロイけどね!(゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!

おい
「すみません」
 
 すばやくDOGEZAする。これ以上目潰しは勘弁してください、ネタ的にも。

「でも、良く似合ってるぜ」

 うほっ、この女殺し!箒さん真っ赤!
 かーわーいーいー
 あっー!
 小指が!足の小指が!ミシッって!
 
「馨は…狙ってんのか?」
「旧型スク水とかIS学園の指定は軽く逝っちゃってるよね」

 ちゃんと「いちねんにくみ しまの」と書いた名札もあるぜ…小指イタイ(;;)
 ちなみにパレオをオプションで着用しています。
 脚に自信が無いので。

「ふふっ邪魔はしないから二人で楽しんだらいいじゃない」

 てゆうかこれひびはいって無い?すごく痛いんですけど

「お、おいっ!」

 スススススと忍者のようにフェードアウト、がんばれ箒さん、その鈍感男には過剰なアピールが大事だよ!
 (もちろん離れたとこから覗き見守ります)



・・・
・・・・・・



 まぁ何にも無かったけどね!
 ちっあのヘタレ共が
 やはり水着に色気が足りなかったな、夏の臨海学校でリベンジするか…
 さっそく色々と手配をしておこう。

 ともあれ、たっぷりと英気を養い、月曜日を迎えたのです。

 …は?
 ……もう一回お願いします、山田先生
 ………一夏の専用機がまだ到着してないって?馬鹿な、おっぱいもみますよ?
 
 あー、どうしよう。




 つづく。



[27026] 【ここに書く】(全略)後編【ネタがなくなってきた】
Name: madoka◆5b5f0563 ID:bd863772
Date: 2011/04/12 07:45
「おっぱい揉んじゃダメですよ!」

 両手でおっぱいをガードしながら、開口一番何言ってるんですか山田先生。
 まぁ言わせたのは私だけど。

「で、一夏の専用ISはまだ到着しないんですか?」
「はい、もう三日待ってくれと」
「はい却下。『すぐに持って来いこのクズ』と、織斑先生言ってやって下さい」
「断る」

 うほっ!即答されたよ。こえぇぇぇ、やっぱ先生は危険だ。構わないでおこう。

「納期は今日の昼休みまでって話でしたよね?山田先生」
「はい」
「なんでこうなるんです?」
「…なんででしょう?」

 質問に質問で返さないで下さい。

「馨、無いもんは仕方ないだろ、最悪放課後の試合までに間に合えば――」
「あのねぇ一夏、初期化と最適化、あと微調整で最低でも一時間はかけなきゃ、タダでさえドン底の勝率が、ド底辺まで下がっちゃうよ」
「そうだな」

 感心してる場合じゃないですよ先生!貴方の弟のデビュー戦なんですって!
 …
 結局昼休み中に一夏のISは届かなかった…






            ソレカラ\(゜ロ\)(/ロ゜)/ドンドコショー






「こないな」 ← 一夏さん人事みたいに言うのはやめましょう
「うむ、こないな」 ← 箒さん納得してる場合じゃありませんよ?
『どどどど、どうしましょう?』 ← 山田先生はもちついて
『どうにもならんな』 ← 織斑先生は落ち着きすぎです

 なんでボケ役の私がつっこんでるのか?おかしくない?

「はぁ…まさかこのセリフを吐くことになるとはね」
「どうしたんだ馨」
「こんなこともあろうかと!」

 真○さん風に言ってみた。

「訓練機の貸し出し申請を今日の放課後に合わせてしておいたんだよ!」

 ばばーん!
 ピットのハッチが開き、IS(訓練機)が登場する。

「「おおっー」」

 先輩方も今日の一夏VSオルコット嬢に興味があったのか、予約で埋まっているということはなかったのだ。
 暇そうな三年の先輩を捕まえて整備もしておいて貰いました。
 かんぺきぃ!
 カオルちゃんたらエクセランッ!(何でフランス語なの?調子に乗ってるの?)

『手回しがいいな嶋野』

 こうゆうことって先生方がやっとくことですよね?ピキピキ

『なんだ?その顔は?』

 なんでもありまっしぇーん!ガクガクブルブル
 管制室にいるからいいけど、隣に居たら非常に危険だったに違いない。

「さ一夏は準備して」
「お、おう」

 借りた機体は純国産第二世代量産機『打鉄』
 身持ちガードが固い大和撫子な機体だ、ただその分機動性にやや難があって、この対戦に限って言えば微妙。
 他にもおフランス製の『ラファール・リヴァイブ』アメちゃん製の『ファントム・イーグル』があったけど…
 リヴァイヴは、汎用性の高く扱いやすい、尻軽できる子だが、今の一夏は一芸特化なのでやや宝の持ち腐れ。
 ファントム・イーグルは、アメちゃんの「白兵ってサムライ(笑)かよ」思想による火力型だから論外、機動性はグンバツなんだが…
 結局白兵戦闘能力が第二世代では群を抜いて高い、打鉄一択。現在の一夏の実力を考えてコレしかなかった。

 そんなご高説を垂れていると、山田先生の声がピットに響く。

『え!着いた?皆さん、やりました!一夏さんの専用ISが着いたそうです!』


気まずい沈黙がピットを支配した。




                    Orz




「これが一夏のISか」
『そうです、一夏さんの専用IS【白式】です』

 なんですかその某グラサンの大尉(中身は大佐)が乗ってたキンピカMSみたいな名前は。

『織斑、時間が無いさっさと準備しろ』

 織斑先生に促され、一夏が白式に乗り込む。

「あれ?」
「うんともすんともいわねぇぞ?」

 あれほんとだ、待機状態のままだ。おかしい

「ってエネルギーがからぁぁぁぁぁ!箒さん!そこのケーブルひっぱってきて早く速く!」
「お、おう!」
『あれー?』

 あれーじゃない!どうなってるんですか!
 あわててエネルギーの充填を開始すると、ようやく白式の初期起動が始まった。

「あれ…エラーメッセージしかでないんだけど」

 は?

「なにこれ!パラメータがぐちゃぐちゃなんですけどー!」

 責任者でてこーい!





                   \(゜ロ\)(/ロ゜)/





『はわわわ』
『ふむ、急がせすぎたか』

 何を呑気な!
 
「AIC値再取得、CN…だめだ応答なし、スラスタ出力…爆発させる気か!」
「おお…なんかすごいな」

 とにかく初期化すら始まらないのは大問題だ、手動で修正してやるしかない。
 空中投影ディスプレイとキーボードを呼び出し、超特急で白式のOSをいじくる。

『はわわ、うわ嶋野さんすごいですねぇ』
「はわはわ言ってないで山田先生も手伝ってください、セクハラしますよ」
『はひっ!』

 くそっ!絶対どさくさに紛れて、あのけしからんおっぱい揉みしだいてやる!

『どうなっていますの!?とっくに試合の開始時間は過ぎてますわよ!』

 きっー!やかましい!オートミールでも食ってろ!

『私の不戦勝ということでよろしいのかしら!?』

 まずい見物人達がざわついている、さすがに代表候補生、パフォーマンスってものを知ってるな。
 これでは一夏が臆して逃げたという印象が付いてしまう。

「馨、あとどれくらいかかる?」
「ごめん、どんなに頑張っても10分はかかる」

 一夏の表情にも焦りが浮かぶ、このままじゃこの一週間の努力がパーだ。

「私が…時間を稼ごう」
「なっ!」
「箒?」

 いつのまにかISスーツに着替えてきた箒さんが打鉄に乗りこもうとしている。

「無茶だ箒さん、そいつは一夏用に微調整してある」
「問題ない…私は幼馴染を侮辱されて、平気な顔をしていられるほど人間が出来ていないんだ」
「箒…」

 一夏の表情が歪む。

「なんて顔をしてるんだ一夏。あの女など軽く捻ってやる、私とお前でクラス代表決定戦だ」
「…」

 静かに、見詰め合う二人の視線が、絡む。

「頼む」
 
 万感の思いを込めて一夏が言った。
 箒さんは笑って応えた。
 まぶしいまでの
 今まで見た中で最高の笑顔だった。

「任せろ」





                   \(゜ロ\)(/ロ゜)/




「えーと、いいんでしょうか?織斑先生」
「一番強い奴がクラス代表、わかりやすくていいではないか。それに私は自薦他薦は問わんといったぞ」

 ガキが一人前に“女”の顔をしおって、生意気な。






 次回「クラス代表決定戦!」に続く
(ちょっと短いのですが、キリが良かったので、ここで続く)

 感想を下さった皆さま、おくればせながら感謝を、本当にありがとうございます。

追記:アメちゃん製IS【ファントム・イーグル】は作者の妄想です
   名前はF-4とF-15から。
   火力型という設定は某オルタの米国製戦術機の設計思想からパクリアイディアを拝借しました



[27026] 【妙にシリアス】クラス代表決定戦・完結編【でもオリキャラは相変わらず】
Name: madoka◆5b5f0563 ID:bd863772
Date: 2011/04/14 08:34
 一夏とセシリアのクラス代表の座を賭けた決闘。
 当事者である一組はおろか、上級生までもが見物に集まったアリーナはざわついていた。
 試合開始時間になっても一夏が現れないのだ。
 そこに目をつけたセシリアが煽る、たいした女優ぶりだ。
 そして決定的な崩壊の直前、ピットから一機のISが飛び出してきた。
 だがそのISを纏っていたのは一夏ではなく…


「あら、篠ノ之さん、何の用ですの?」
「この状況で説明が必要か?」

 箒のセリフを如何にとったのか?
 セシリアはひどく冷めた表情を浮かべて、言い放った。

「最低ですわね」
「誰がだ…」
「言わなくては判りませんの?」
「いい度胸だ」

 公然と想い人を侮辱された箒が、静かな怒りを押し殺し、獲物を解放する。
 IS用の近接刀、打鉄に標準インストールされているそれは、日本刀を模したものだ。
 もちろん通常の日本刀の製法、素材で造ったのではなく、あくまで模したものではあるが、それは箒の手によく馴染んだ。

「武器の相性というものもご存知ないのかしら!」

 一方のセシリアが手にする長大なレーザーライフルが火を吹く。

「ぐっ!」

 とっさに回避行動を取ったものの、左肩の装甲を掠めた一撃で、装甲の一部が吹き飛ぶ。
 さすがにガードに定評のある打鉄、ものともせずに、箒が前に出る。
 譲れない女同士の、壮絶なバトルの火蓋は切って落とされた。






          ナンカシリアスジャネ?(゜ロ\)(/ロ゜)オレラバチガイダナ





「馨まだか」

 あれから約10分、箒はよく攻撃をしのぎ、善戦していたが、セシリアに一太刀として浴びせる事はできないでいた。
 武装の相性以上に、打鉄の動きが鈍いのだ。
 馨にしてみれば予想通りの結果だ、事前に取らせておいてもらった一夏のデータに合わせて、あの打鉄は微調整して“しまった”、それが裏目に出てしまっているのだ。
 さらに言えば、箒は生身ならば、全国大会で優勝するレベルの武芸者なのかもしれないが、それは一概にISでの強さには直結しない。
 とはいえ当の馨はそれどころではない。

「…どうしてここでエラーが!」

 超特急とはいえ、ほぼ問題無いレベルでOSは調整できたはずなのに、一向に白式の初期化が始まらないのだ。
 馨は床をガンガン蹴りつける、地団駄を踏むという奴だ。

「全パラメータは正常値に書き換えた、もうエラーを返す理由は無いのにぃぃぃ」

 頭にきたのか、白式を思い切り殴りつけ始める馨。

「お、おい!古いテレビじゃないんだぞ!」
「どこか!接触が悪い!ということも!有るには!有るんだよっ!」

 Pi!

「嘘…」
「よしっ!」

 会心の一撃!とばかりにガッツポーズを取る馨。

「さぁ一夏!颯爽登場で箒さんを助けに言って!」
「…おう!」

 色々と釈然としないものが有るが、一夏がピットの先へと進む。
 正常起動を果たした白式からはアリーナでの戦闘データがつぶさに送られてきていた。
 もう箒は限界のようだ。

「サンキューな馨!」
「いいから早く!」
「ああ、行って来る!」

 アリーナへと一夏の姿が消えると同時に、馨はその場にヘタリ込んだ。

「つ、疲れた…」
『ご苦労だったな嶋野、戻った篠ノ之を連れてお前も管制室に来い』

 NOと言わせない口調で織斑千冬は馨を呼びつけた…





               \(゜ロ\)(/ロ゜)/





「口だけですわね!篠ノ之さん」
「くぅ…」

 シールドエネルギー残り21、実体ダメージは中破、問題は足回りを破壊されたため、まともに飛べないことだ。

「ではサヨナラですわ!」

 セシリアの周囲に集まった四機の「ブルー・ティアーズ」とレーザー・ライフル、五門の銃火が容赦なく箒を襲う。
 ままならぬ打鉄を駆り、一発、二発と回避するが、三発目が掠め、四発目は右肩のアーマーを完全に破壊する、その衝撃で箒は無様にも地面に叩きつけられた。
 シールドエネルギー残7、そして回避不能を告げる、無情の警告。

「っ!」

 だが
 その一撃が箒を貫くことはなかった。

「ふぅ、ギリギリセーフ」
「い、一夏!」
「大丈夫か?箒、遅れてすまねぇ」

 射線に割り込んだ一夏が箒を庇ったのだ。
 その代償として、白式はかなりのシールドエネルギーを消耗したが、一夏は気にしていなかった。
 劇的な登場にアリーナの観衆から黄色い声援が上がる。
 なにせ皆が夢見る十代の乙女達だ、ヒロインのピンチに颯爽と登場する王子様、にしか今の一夏は見えない。
 そんな観衆の声も聞こえない者が約二名。
 一人は助けられた箒。まぁこれはいわずものがでろう。
 そしてもう一人はセシリアだった。

「(接近をまったく感知できませんでしたわ…今のは『瞬時加速』イグニッション・ブースト!?)」

 ISの搭乗時間が一時間未満のド素人が?
 そんな馬鹿な…

「ちょいとマシントラブルで遅くなった、スマン」
「…」

 一夏の言葉に、セシリアは無言、その瞳に憎悪を込めて、一夏を睨む。
 セシリアは男が嫌いだ。
 それは婿養子であった父の情け無い姿が、強烈なトラウマとなって、セシリアの精神を形成しているからに他ならない。
 ISの普及とあいまって、世界を蔓延し始めた、女尊男卑の傾向が、それを決定的にしてしまっていた。
 セシリアが成長し、大人となれば、あるいは何か違ったのかもしれない。
 だがセシリアの成長を待たず、両親は事故で逝った。

「認めませんわ…」

 小声で呟いた、セシリアは箒戦では使わないで居た、もう二基の「ブルー・ティアーズ」を分離させる。
 全力で叩き潰す。
 男など、弱くて、情けなくて、格好の悪い生き物で良い。
 今眼前にいる男は違う、幼馴染の少女を庇い、なんの努力も無く専用機を纏い、素人に有らざる才能の片鱗を見せ付ける。

 コンナコトハミトメラレナイ、ゼンリョクデコノオトコヲヒテイシナクテハナラナイ。

 セシリアは無言でトリガーを引いた。






        オイシリアスマダツヅイテッゾ\(゜ロ\)(/ロ゜)/ダイダイナンデサンニンショウヨ?





「えーと、一年二組、嶋野馨、参上しました、もう帰ってもいいですか?」
「座れ」
「はい…」

 なんですかコレ。 
 モニターを見れば、一夏とオルコット嬢が激戦を繰り広げている。
 箒さんの方は疲労困憊しているのと、一夏が心配なのか無言。
 じっとモニターを凝視している。

「まぁご苦労だった、これでも飲め」

 おおコーラですか、確かに頭脳労働直後で脳は糖分を欲していますが、炭酸はちょっと。

「安心しろ、ちゃんと炭酸は抜いてある」

 どこのグラップラーですかあなたは?
 あ、いえ何でもありません。睨まないで下さい。
 この人は読心能力でもあるのだろうか?

「『瞬時加速』…入れ知恵したのはお前か?」
「作戦を考えたのは私ですけど、まさかぶっつけ本番で一発成功するとか、一夏は本番に強いタイプなんですねぇ」
「…まぁよかろう。さて嶋野、個人端末を出せ、よこせ、コピーした白式のデータは没収する」

 従わねば殺す、そんな感じの口調で宣告された。

「白式のアレは立派な妨害行為ですよ?手口から犯人を――」
「好奇心は猫を殺すぞ」
「はい…」

 ちぇー。
 しぶしぶ、端末を先生に差し出す。

「…ついでにコレも消しておくか」

 あ、それは!先生が現役だったころの、ちょっとエロいグラビアデータ!
 らめぇ!消しちゃらめぇ!複製制限付きのプレミアデータなのぉ!
 あ、あっー…Orz

「先生酷いわ!横暴!」
「山田先生の分も消そうか」
「先生の下僕になります、だからそれは勘弁してください」

 ジャピングDOGEZA!

「何処で手に入れたんですかぁ!織斑先生、消して!消してくださぃ!」

 あ、山田先生まで、だめぇ!それは貴重な水着のデータなのぉ
 あっ!あぁん…Orz

「酷い、酷すぎる…一夏のためにあんなに頑張ったのに!その報いがコレなんてぇ(血涙)」
「お前はその情熱をもっと別のことに使え」

 だが断る!
 バシン!
 うぉぉぉ!これが噂の出席簿アタック!ていうかそれ端末!金属製の端末!
 いてぇぇぇ!

「馨」
「しくしく、なんでしょう箒さん」

 慰めてくれるの?

「うるさい、静かにしろ」

 酷い…でも口答えすると殺されそうだ、素直に従おう。

「はい…」

 管制室の隅っこに体育座りで、床にのの字を書きながら、気の抜けたコーラを啜る。

「なんかこのコーラ、しょっぱいな…」





                 \(゜ロ\)(/ロ゜)/





 結果だけ言えば、試合は引き分けだった。
 試合中に無事一次移行ファーストシフトを終了させた白式。
 そして、そのワンオフアビリティー『零落白夜』による攻撃がブルー・ティアーズのエネルギーを0にするのと同時に…
 白式のエネルギーも『零落白夜』の使用で0になっちゃったからだ。
 バカス、燃費悪いにも程が有るわ!

 夕食はしめやかに三人で残念会。
 戻って寮で反省会、私は白式のデータを見せてもらって、ちょろちょろと調整させてもらっている。
 しかし前倒れこうげきいっぺんとうな上に燃費悪いなぁこの機体、まさに試作機って感じだ。
 さてデータを端末に保存して…あれ?
 ああああああああ!!





               ナンダ?\(゜ロ\)(/ロ゜)/ナニゴトダ?





「しかし、しまらねぇ結果になっちまったなぁ」
「ぐすっ、僕のお宝データが」
「私は悔しいな、あの女セシリアに手も足も出なかった」
「ハッキングしてバックアップまで根こそぎ消去するなんて…酷すぎる」

 おのれ山田先生、この代償はその体で払っていただきますぞ・・・

「俺と違って箒はセシリアのデータを殆ど見てなかったんだろ?初見であれだけ粘ったんだから、大したもんだよ」
「全部市場に出てた健全なデータだったのにぃ」

 幾ら分くらいデータ飛んだんだろう・・・

「「馨」」

 何?慰めてくれるの?特に箒たんはその胸で泣かせてくれる?

「「鬱陶しい」」

 ひどいぃぃぃ

「泣きたいなら、存分に手伝うぞ」

 なんで竹刀を出すの?もっと優しくして?

「おい馨、千冬姉のデータはもう無いだろうな?有るなら没収な」

 微妙に欲望が透けて見えてますけど一夏さん!!
 やっぱシスコンだったのか…

「おい、一夏。没収してどうする気だ」
「いや、それは別に、弟してゴニョゴニョ」

 コレハハンゲキノチャンス

「Hなことに使うに決まってるよ!!」
「なっ、何を馬鹿なことを!」

 だって男の子だもん!

「「ほぉ…」」

 あ、あれ?なんで入り口に織斑先生が立ってるんでしょう?
 は、はわわわ

 前門に虎(織斑先生)後門に狼(箒さん)
 思わず抱き合い、子羊のように震える僕と一夏
 待って!話し合いましょう!暴力は何も生みません!
 ラブアンドピース!
 あ

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」」

 こうして1025号室には血の雨が降ったのだった。





P.S
翌日何故かオルコット嬢がデレていた。チョロすぎやしませんかセシリアさん?
しかし恐るべし織斑一夏。
君に【一級フラグ建築士】の称号を授けよう。
なんかフェロモンでも出してるんだろうか…




後書き
戦闘シーンの描写に七転八倒した挙句、全削除。
隙を見て加筆修正したいです・・・



[27026] 転校生がやってきた!
Name: madoka◆5b5f0563 ID:bd863772
Date: 2011/04/16 07:44
「大丈夫か!?箒」
「一夏!」

 間一髪、ブルー・ティアーズの放ったレーザーと己の間に割り込んだ、純白のIS、その操縦者、一夏。
 六年ぶりに再会した幼馴染。
 初恋の少年は、見違えるような青年になって劇的に箒の前に現れた。
 
「一夏」
「箒」

 ああ、なぜ一夏は服を着ていないのだろう?
 今はクラス代表を決める戦いの最中のはず。
 だが、そんなことはどうでもいい。
 何故か全裸の一夏に抱き寄せられる自分。
 ああ夢のようだ…

 夢?
 そうだ、おかしい、この男は、ドの付く鈍感のトウヘンボク。
 こんな、馬鹿なことが・・・!


「やはり、夢か」

 眼が覚めれば、冷めた現実が待っていた。

 ああ、何故あんな淫らな夢を見てしまったのか、隣のベッドでは一夏が寝ているというのに…
 いや原因はわかっている。

「またか…」

 奇妙な同居生活の片割れ、本来のルームメイト、嶋野馨。
 肉体は正真正銘、女子。
 だがその精神はおおよそ十代の男子、しかも変態スケベエ
 一応、女子であるので一夏と同衾させるわけには行かない。
 当然、わたしと寝ることになる。
 万が一破廉恥な行為に及んだ場合は切ると宣告してある。
 だが…
 わたしは馨の腕に抱かれていた。
 おおよそ女性らしい柔らかさに欠けた、まるで男のようなゴツゴツした肢体。
 身長も女子としては長身の部類に入るわたしよりも高い。
 ISインターセクシャル
 男でも女でもなく生まれついた者。
 馨はそのISである、長身も男性らしい体つきもそのせいだ。
 夜間にわたしを抱き寄せたのだろう、あのい、淫夢はこいつが原因か…

「はぁ」

 溜息を吐き、わたしはそっと馨の腕から抜け出す。
 ん…となにやら艶かしい声を挙げる馨に少しどきっとする。
 
「まったく…」

 これが馨の方から、わたしに抱きつき、例えばコンプレックスの塊である、胸にでも顔をうずめていたら、宣言通り容赦はしなかった。
 だが、この馨の抱き癖が出るのは決まって、大雨の夜、特に雷を伴うような強いの雨の日だ。
 最初に馨に抱きつかれているのに気が付いた夜。
 思わず悲鳴を上げそうになり、すぐさま怒りを覚えたわたしは馨を蹴りだそうとした。
 だが、ふと冷静になってみれば、馨は魘され、体は震え、うわ言に誰かを呼んでいる。

『両親は事故でね』

 そう言い寂しそうに笑う馨の顔を思い出した。
 事故
 そして大雨
 容易に想像が付いた。

 そういえば昨夜は少し強めの雨が降っていたな。
 カーテンの隙間から差し込む日光を見る分には、雨は夜中の内に止んだようだ…だからか、あまり魘されずには済んだ様で、馨の寝顔が健やかだった。
 女性化手術のせいでわたし達よりも一つ年上だという馨は、わざと子供のように振舞っていることも多いが、色々と苦労しているせいか基本的に大人びた表情をしている。
 だが、この無防備な寝顔は歳相応な可愛らしい寝顔だ。
 なんとなく馨の頭を撫でてやるとくすぐったそうに笑う。む…これは
 色々と問題の有る奴だが、わたしと一夏にとっては得難い友人であり、ルームメイトだった。
 こいつが居なければ一夏と打ち解けるにも、もっと時間が掛かっただろうし。
 年頃の男女が同居(断じて同棲ではない!)する上で、気まずい場面が必ず発生するが、そこも上手くフォローしてくれた。
 そっとベッドを抜け出す、朝の鍛錬に向かう時間だからだ。
 正直この抱き癖は、精神衛生上よろしくない。
 だがけして不快ではなかった。
 わたしも幼少時に両親の温もりを失った。
 馨に抱きつかれていると、まるで父親か母親に抱かれて眠っていたような気分になるのだ。

「だが…あれは無い」

 しかし今日の夢は無い、やはりライバルセシリアの出現のせいだろうか?
 いや…これは精神の鍛錬が足りないのだ。
 
「まだまだ精進が足りない…」

 胴着に着替え、朝の鍛錬にむかうことにした。






               \(゜ロ\)(/ロ゜)/






「ひっ!」

 全身に怖気が走る。
 原因は布団にもぐりこんで来た“何か”のせいだ。
 脛毛がじょりって!

「おいっ馨!」
「ふにゃ?」

 ああああ、またか!
 嶋野馨。
 肉体は正真正銘女子らしいが、その身長は俺に匹敵する175smの長身。
 ほとんど女性らしさを感じさせない丸みに欠けた肢体。
 それほど濃いわけではないが、脛毛もまぁ濃い(こまめに処理はしてるようだが)
 それがベッドに侵入にしてきたあげく、抱きついてきたのだ。
 想像してみてくれ、修学旅行で同部屋の男子が布団に入り込んできたようなもんだ。
 たまったものじゃない。
 箒は朝練でいないからいいが、知れたらコトだぞ、おい!

「あにゃ」
「おい、起きろ!」

 全力でホールドしてきやがった!
 痛い!気色悪い!
 やめろどこに触ってるんだ!

「おひりぃ」
「起きろぉぉぉぉl」

 そろそろ箒が…ひっ
 ガチャリとドアが開く、破滅の音が聞えた。
 そして俺の幼馴染の姿をした死神が姿を現した。
 お、終わった。

「なななななななななななな」
「箒!これは!誤解だ!」
「一夏…きさまぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「誤解だぁぁぁぁぁぁ!」

 俺は被害者だぁぁぁぁぁ!





             \(゜ロ\)(/ロ゜)/





 寮の食堂、朝の騒ぎのせいで出遅れたので、ほとんど誰も居ない。
 箒は俺達を散々叩きのめした後、さっさと出て行ってしまった。
 最近やたらと絡んでくるセシリアも既に登校したようだ。
 入るのは…ああ、のほほんさんくらいか、相変わらず眠そうだな。

「ごめんねぇ一夏、どうも朝はダメでさぁ」
「低血圧なのは、わかったよ。そんなとこは女子っぽいんだなお前」

 朝が非常に弱い馨は、前にも一度、ああやって布団に潜りこんできたことがあった。
 まったく。
 こんな風に色々と困った奴では有るけど。
 男心を理解してくれる友人は貴重だ。
 女子に囲まれていると、さりげなくフォローしてくれるし。
 箒やセシリアの理不尽な攻撃からも、やんわり庇ってくれる。
 部屋で箒が着替えているあの気まずい瞬間も馨が茶化してくれるお陰で大分ましだ。
 しかしなんであいつは俺がシャワールームにいる内に寝巻きに着替えないんだ…

「たぶんそろそろ来るんだろうなぁ」
「何がだよ」
「メンス」
「ぶっ」

 味噌汁を吹きそうになった。

「お前なぁ!」
「あ、ごめんごめん。食事中だったね」

 そういう問題じゃねぇだろ!

「箒さんが来たら、こそっと教えるから、デリカシーの無い発言は無いように、気をつけてね」

 あ、それは助かる。

「後15分で予鈴だよ一夏、急ごうか」

 こいつは低血圧のせいもあって朝飯はごく軽い。
 今日もサンドッチ二三切れで、とっくに食い終わっている。
 朝がっつり食う派の俺を待っていてくれるのだ。

「おう、ちょっと待ってくれ」
「ん」

 いい奴なんだけどなぁ…





               \(゜ロ\)(/ロ゜)/





 ふよふよと水中を漂うクラゲのように、SHR前の教室を通り抜け自分の席に向かう。
 ここはIS学園一年二組の教室。
 そんでもって私は嶋野馨、十数年男だと思って育ってきたけど、実は女だったという。TSトランス・セクシャルでもなければTJトランス・ジェンダーでもなくISインターセクシャル、今は手術したから正真正銘女の子、赤ちゃんも産めると、手術したDrのお墨付き、セクハラだよねっ!
 そんな僕も心は男の子
 子供のころはカオルなんていう女っぽい名前のせいで、よく苛めれらたけど、死んだ両親はちゃんと考えていてくれたんだなぁ。ありがたい。
 席に着き、まだ時間も有るので端末を操作し、ぺしょぺしょと内職をする。

「カオちゃん…」
「うん?何?」
「何してるの?」
「1/16【ブルー・ティアーズ&セシリア・オルコット嬢】フィギアの原型を作成中です」

 夏のワンフェスに出展します、1/16【打鉄&篠ノ之箒たん】も有るよ? (▽▽)b←サムズアップ

「はぁ…」

 隣の席に座る杉浦丹すぎうら・まことちゃんが溜息を吐く。
 それは私の中性的な美貌にまいったわけでも、フィギアの出来に感心しているわけでもなく…私が残念なことにな対する、諦めの吐息だ。
 ISである私は、背も高いし、容貌は中性的というか男っぽい。
 顔の造作も、美貌というといいすぎだけど、GURPSなら容貌に5CPくらいは使ってるレベルで整っては居る。
(そこに行くと箒たんや千冬お姉さまは15CPから25CPくらいは使っているだろう、もちろん乳のサイズも含めて)
 GURPSって何よ?ってググルといいよ?
 ただ、私の親しい人達の評価は「中性的で大人っぽい美人さん」ではなく
 「中性的で大人っぽいけど、色々残念な(変態という名の)淑女」である。
 まぁしかたないよねぇ、女の子二年生だし、ぼろが出るのは仕方ないって。
 あ、大人っぽいというのは、手術やらなんやらで一回ダブってるので、実は皆より一歳年上なんだよね、私。
 いっそ年下キャラの方がいろいろ受けたと思うんだけどなぁ…

「カオちゃんは黙ってれば女子高の王子様なのに、中身はスケベ男子だし」
「やだマコトちゃん、スケベなんて女の子がいちゃらめぇ」
「「「「…はぁ」」」」

 会話を漏れ聞いた数名のクラスメイトまでマコトちゃんと息をそろえて嘆息する。
 なんか…ごめん

 その時だった、スパーン!鋭い音が教室に響く。
 音の原因は勢い良く…というか破壊されそうなレベルで開け放たれたドア。
 教室中の視線がドアに集中する。
 そこにいたのは見慣れない生徒だった。
 小柄で華奢だけど敏捷そうな体躯。
 活発そうな印象とはうらはらに、髪型は長めの黒髪をツインテール。
 乳は控えめだけど、とにかく美少女だった。





             ソレハコッチニ\(゜ロ\)(/ロ゜)/オイトクナ





「えーと、どちらさま?」
「あたしは凰鈴音ファン・リンイン、今日からこの二組のクラス代表になる、中国の代表候補生よ!」

 その宣言に教室がざわめく。
 ふむ転校生、それも中国の代表候補生か。
 現在一年生で代表候補生というと、一組のセシリア・オルコットさん(英国、一夏にツンだったが、試合後速攻でデレた、おっぱいは欧米人としては控えめだが美乳、パツキン縦ロールのお嬢様だ、ジャンルは金髪美乳)
と四組更識簪さらしき・かんざしさん(日本、今期の生徒会長の妹、一夏の白式のあおりで専用機が未完成で放置プレイ中という不遇のメガネっ娘、おっぱいは姉に比べると控えめだが、メガネっ娘!メガネっ娘!大事な事なので二回言いました)
 の二人が有名だけど。
 原則転入のないIS学園に転校生というのは、「国の思惑」が当然バックにあるわけだ。
 おそらく中国が彼女を送り込んできた原因は…言うまでもなく織斑一夏ゆいいつのおとこのそうじゅうしゃ
 あぁ、いやだねぇ
 それにしても鈴音ちゃんはかわいいわぁ、抱きしめてぎゅーってしたくなる系
 しかし貧乳ロリ系は、この学園では貴重なタイプね。

「で。どちらがクラス代表さんかしら」

 ツインテールもいいけど、ああツーサイドアップにしたらどうかな?
 普段は丸出しのうなじが、何かの拍子に垣間見えるあのチ・ラ・リ・ズ・ム。
 あ、やだ鼻血でそう、私の心のおにんにんがおっきした

「カオちゃん、御指名よ…って、また変態妄想してるしこの子は」
「ふぇ?」

 鼻を押さえていると、マコトちゃんがなにやら囁いてくる。
 いやんくすぐったい。

「あんたが二組のクラス代表?」
「ええ、私がクラス代表の嶋野馨よん。よろしくね♪」

 小柄な鈴音ちゃんとひょろ長い私の伸張差は20cm以上あるので、自然鈴音ちゃんがこちらを見上げる形になる。
 あれーなんだろう?なんで私のおっぱい凝視してるのー?
 あ、勝ち誇った顔、ひっどーい、確かに私は貧乳ですけど、しょうがないじゃない!元男の子なんだから!

「早速だけど、替わって」
「何を?」
「クラス代表。嫌なら…」
「別にいいわよ」

 私は即答した、隣の一組程ではないが、二組もノリで私をクラス代表に選んだ。
 何せ専用機持ちもいないし、留学生はいるが、代表候補も居ない。
 入学当初は私もネコ被ってたし、傍目には「女子高の王子さま(笑)」だったからなぁ
 IS適正【C】の私をクラス代表って(笑)
 学級委員も兼ねてるし、正直めんどくさいし、全然おkだよ?

「あ、そう」

 あっさりと承諾した私に鈴音ちゃんが拍子抜けした調子で答える。

「その代わりだけど、まず名前で呼んでいいかしら?」
「いいわよ、それくらい」
「えへへ、鈴ちゃんでいいかしらね?私も好きに呼んで頂戴、でもって…抱っこさせて!」
「え!ちょ、何よ!放しなさいよ!」

 うはー、やらかーい!

「やだ!くすぐったいって!」
「おっとごめんごめん」

 これ以上はまずい、まだネコ被っとかないと警戒されてしまう。
 このレベルならまだ「ちょっと過激な女の子同士のスキンシップ(はぁと)」のはずだ。

「勝手にクラス代表を交代するな嶋野」
「おや先生、何時からそちらに?」
織斑先生ブリュンヒルデの出席簿程では無いが、私のチョークジャベリンも中々痛いぞ」
「うはー、すみませーん」

 二組の担任のジェニー先生。
 元アメリカ代表候補生で、現役時代はプレ○ボーイ誌にもグラビアが載ったナイスバディの美女さんだ。
 いやー眼福眼福。
 教卓の一番前という普通は皆嫌がる席を率先してGet!したのは言うまでも無いよ?
 とはいえ戦乙女の投槍ヴァルキリー・ジャベリンならぬ投げチョークが眉間にめり込むのは一回だけで勘弁ですから、大人しく席に着きます。

「さて、貴様ら、紹介前に勝手に自己紹介した、中国代表候補生の凰だ、仲良くしろ」
「「「「Yes,Ma’am!」」」」
「どうした!声が小さいぞ!」
「「「「Yes,Ma’am!」」」」
「よろしい、凰も地元ではどうだか知らんが、私のクラスの配属された以上、軍隊ハートマン方式でいくからな、覚悟しておけ」
「…Yes,Ma’am」
「声が小さい!タ○落としたか!」
「つ、付いてません!元々!」

はうっ!鈴ちゃん顔真っ赤にして可愛い!激写!

「嶋野ぉ!無断撮影は禁止だといっただろう!」

 はうぅ!眉間に!眉間にチョークが!





                 \(゜ロ\)(/ロ゜)/





「で、私が気絶してる間に鈴ちゃんはクラス代表になって、隣に宣戦布告にいったわけだ」
「ジェニー先生は負けず嫌いだからね、来月のクラス代表の交流戦も全力で勝ちに行くって」

 まぁ折角の代表候補生で専用機持ちだもんね。
 一組は専用機持ちだけど素人の一夏
 三組は専用機持ち無し
 四組の専用機は未完成
 勝った!これは勝った!
 うはーパス券Getだぜ!

 あ、半泣きの鈴ちゃんが帰ってきた、あれは織斑先生に撃退されたな。
 さっそく慰めてあげなくっちゃ!
 私の胸でお泣きよ~♪


後書き
本分から考察するに
IS学園は一学年約120名
一クラス約20名で計6クラスなのでしょうか?
ソースは2巻の1組2組の合同演習での千冬の発言から
「専用機持ちは、織斑(中略)だな。では八人グループになって」
この時点での専用機持ちは五名、八人グループということは5x8=40
よって一組と二組の合計は40→一クラスは20名→単純計算では6クラス?
なのか?
でも6クラスだとクラス交流戦がトーナメントだとあれ?
総当り戦だと6は多いよ・・・だしなぁ
設定資料集とかでないかなぁ・・・


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