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届かぬ被災地の声、支援阻む「情報断絶」
震災1カ月で課題が露呈 16年前の教訓生かせず

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2011/4/16 7:00
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避難所に設置されたテレビで楽天の試合を観戦する被災者ら(12日午後、宮城県女川町)=写真 善家浩二
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避難所に設置されたテレビで楽天の試合を観戦する被災者ら(12日午後、宮城県女川町)=写真 善家浩二

 ベイサイドアリーナは当初から被害が甚大かつ孤立地域とされ、特に注目を集めた。NHKなどがいち早く到達し、映像を送り始めると各社も続く。今では、テレビ各局の中継車が常駐し、連日、多数の報道陣がつめかけている。ほかにも、岩手県釜石市の釜石高校、陸前高田市の第一中学校、宮城県気仙沼市や女川町の総合体育館といった大規模避難所に集中した。

 「避難所の皆さんは厳しい生活を送っています」。そう報じられると、ボランティア団体や芸能人が支援に入る。訪れた人は「まだまだ継続的な支援が必要」とマスメディアやブログなどを通じて訴える。そこにまた、支援が集中する。一方、渡波中のような目立たない避難所は、気づかれないまま、ますます埋没していく。

 阪神大震災の教訓が指摘するように、同じ論理で救援物資の偏在も生じている。ベイサイドアリーナには早くから、全国から多くの救援物資が届いた。施設で一番大きな体育館(アリーナ)を避難者の就寝場所ではなく、主に物資保管庫として利用している。にもかかわらず、食料から生活用品まで大量の物資がうずたかく積もり、収容能力の限界に達しつつあった。

■流通の血管がつまり、物資が偏在

 大規模避難所は物資を一時保管して、周辺地域に分配する「ハブ」として使われることが多い。ベイサイドアリーナは南三陸町でその機能を果たしている。まだ道が完全に復旧していないなか、大型トラックが町内に45カ所ある全避難所を回って物資を分配するのは非現実的で、効率も悪い。そこで、物資はまず中規模避難所に分けられ、そこからさらに小さな避難所へ“毛細血管”を伝わるように配分されている。だが、4月最初の週末あたりから血管がつまり始めたという。

 大型トラックに加えて、小型のトラックやバン、自家用車に支援物資を積んだボランティアが連日、集中した結果、ベイサイドアリーナには搬入待ちの列ができるようになり、1~2時間待ちも珍しくなくなった。物資の搬入搬出や仕分けの作業は、基本的に被災者自身が行っており、各避難所からの要請を受けて、町や自衛隊、ボランティアなどが配送している。

避難所に積み上げられた支援物資(12日午後、宮城県南三陸町の志津川高校)=写真 小林健
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避難所に積み上げられた支援物資(12日午後、宮城県南三陸町の志津川高校)=写真 小林健

 作業を手伝っている避難者の男性(29)は、こう話す。「集団移転などで手伝う被災者が徐々に減っているため、人手が足りていない。高校を出たばかりで就職先を失った被災者がトラックの誘導をしていて、運転手に責められることもあった」

 震災4週間目に近いある日には、衣類や食料などの支援物資、計20トンを積んだ5台のトラックが搬入を拒まれた。そのため、中規模避難所の歌津中学校へと回ったが、すでにそこも満杯で入らず、結局、近隣にある自治体の倉庫に置かせてもらったという。

■「いつの災害も物資の集積場に溜まり、そこから外に出ない」

 「いつの災害もそう。物資の集積場に溜まり、そこから外に出ない。新潟県中越沖地震の時も、柏崎市役所に物資が集中して、途中から『もう送らないでくれ』と発信した」

 そう語るのは、南三陸町を中心に支援活動を続けている岐阜県議の川上哲也氏(47)だ。3月11日の震災当夜に支援物資を積み、遠く飛騨高山から東北へ出発して以降、片道約1000キロの道のりを5往復した。3月17日には震災後、初めてまとまった量の燃料、灯油3000リットル、軽油1000リットルを南三陸町まで届け、佐藤仁町長から感謝された。

 川上氏は新潟県中越沖地震の際も同じように支援活動をしており、物資が滞留する教訓を知っていた。だからこそ、初期の段階で町役場に「物資は出すことが課題。配送に人的リソースを割きましょう」と提案したが、現場に手が回ることはなかった。

 避難所間の格差、物資の偏在。過去の教訓がふたたび顔をのぞかせているのは、これだけではない。財団法人阪神・淡路大震災記念協会がまとめた「平成11年度 防災関係情報収集・活用調査(阪神・淡路地域)報告書」に、こうある。「物品が役所からたくさん来たが、外でテントを張っている方、全半壊の家に無理やり住んでいる方がいるのに、学校にいる方だけが避難者だという感覚をもってしまったので、その他の方が非常に困っていた」

■トイレが不便、でもぜいたくは言えない自宅避難者

 今回の被害は、ほぼ津波によるものだったため、震源地に近い内陸部や沿岸部でも高台にある住宅の多くは無傷で残った。そうした被災者は、最初は避難所にいたが、徐々に自宅へと戻っている。ただ、家はあっても水道・電気・ガスがなく、ガソリンも不足しているため遠方にも行けず、困窮している自宅避難者はかなり多いと推測されている。

 小学校5年生になる娘を連れ、ベイサイドアリーナまで配給をもらいに来ていた自宅避難を続ける女性は、こう話した。「トイレが一番大変。地域に仮設トイレもあるけれど、夜は真っ暗だし数百メートル歩かないとならないので、怖い。同居するおじいさんが、仮設トイレにたどり着くまでに間に合わなかったこともあった」

 女性が住む地域の各家庭には、行政から小型のソーラー充電式の照明が配られたという。携帯電話の充電もできるようだが、接続するプラグはついていない。「買いに行っても売っていない。携帯は夜はもったいないから切っている」

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