東日本大震災による電力不足を受けて運行を見合わせていた、小田急電鉄の特急ロマンスカーが、16日、1か月ぶりに運行を再開しました。
小田急電鉄は、電力不足に対応するため、先月14日から新宿と箱根などを結ぶ特急ロマンスカーの運行を見合わせていましたが、16日から、通常の30%から40%程度の本数で運行を再開しました。箱根湯本駅では歓迎の横断幕が掲げられ、午前9時半前にロマンスカーが到着すると、地元の旅館や商店の従業員などおよそ200人がホームで乗客を迎え、しおりや絵はがきなどの記念品を配りました。家族と一緒にロマンスカーに乗ってきた女性は、「桜の時期なのでゆっくり観光したい。まだ大変な地域もあるが、こういうところから盛り上げて元気づけていきたい」と話していました。箱根町の旅館組合では、震災以降、年間の宿泊客のおよそ10%に当たる28万8500人が予約をキャンセルしたと推計しており、地元では、ロマンスカーの運行再開を観光客の回復につなげたいとしています。箱根温泉旅館協同組合の榎本孝弘理事長は、「先月は全く商売にならなかったが、ロマンスカーの再開で、大勢の人にまた箱根を訪れてもらいたい」と話しています。