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女優・上戸彩(25)が15日、東日本大震災で被災した住民の避難所となっている、宮城・石巻中央公民館横の駐車場で行われている石原軍団の炊き出しに飛び入り参加した。ほぼ不眠で東京から日帰りという強行軍にもかかわらず、笑顔でやきそばを振る舞ったが、震災で姉を亡くした3歳の少女との対面では涙を浮かべた。約4時間の滞在で、被災者を癒やした上戸は「これからも支援を続けていきたい」と誓っていた。
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初対面の少女をしっかりと抱きかかえた。上戸のぬくもりは、3歳の小さい体にしっかりと伝わった。
被災者も見とれた“彩スマイル”が一瞬、曇った。少女の名前は佐藤珠莉(じゅり)ちゃん。震災で3歳上の姉を失っていた。母・美香さん(36)から、当時のつらい様子を聞かされた上戸の瞳に涙が浮かんだ。しばらくは珠莉ちゃんも元気がなかったという。それでも、この日の炊き出しはお祭りのようににぎやかで、珠莉ちゃんも大喜び。上戸からやきそばを受け取り、「ありがと」と屈託のない笑顔をみせる少女に、上戸は「負けないでね」と言葉をかけてギュッと抱きしめた。
志願して石原軍団の炊き出しに飛び入り参加した。14日深夜まで映画の撮影だったが、ほとんど寝ないまま15日の午前4時に東京を出発。自らかき集めた救援物資を携え、7時間半かけて石巻に到着した。ドラマ「結婚」(09年)で共演して以来、父とも慕う渡哲也(69)とともにやきそば作りに奮闘。薄いメークで華美なアクセサリーもなかった。会場では石原軍団が形無し?になる大人気。「彩ちゃーん」の声にやさしく笑みを返した。
震災発生直後に仕事で海外に渡っていた上戸は、甚大な被害を知って心を痛めていた。渡には「炊き出しをやるならぜひ参加させてください」と事前に申し出た。自ら被災地に必要な物を調査し、忙しいときには母親の力も借りながら救援物資を調達したという。石原軍団も真剣に被災者を心配する“同志”を歓迎。渡は「現場を明るくしてくれますよ」と誇らしげだった。
「これからもいろんな支援を続けていきたい」。滞在時間は約4時間だったが、上戸の笑顔は触れ合った被災者全員に癒やしを与えた。
(デイリースポーツ提供)
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