「計画退避」に揺れる福島県飯館村に衝撃的なデータが突き付けられた。13日に開かれた国会での報告会で、京大原子炉実験所の今中哲二助教らが飯館村は、放射線被害で人が住むのに適したレベルではないなどと発表したのだ。
今中助教によると、同村南部の曲田地区で、毎時10マイクロシーベルトを超える放射線を確認。3月15日からの積算被曝量は95ミリシーベルトに到達し、3カ月居続けた場合は100ミリシーベルトに達するという。
原子力安全委員会の指針では、10〜50ミリシーベルトで屋内退避、50ミリシーベルト以上では「コンクリート建屋の屋内退避か避難」とされているため、「人が住むのに適したレベルではない」との見解を示したようだ。
1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故では、高汚染地域の住民が平均50ミリシーベルト、汚染地域の住民が同10ミリシーベルト被曝したとされており、これと比較しても「重大な汚染状況になっていることは確か」としている。
一方、福島第1原発で作業にあたる関係者の被曝も深刻だったことが分かった。
東電では、累積被曝量が最大の198・24ミリシーベルトに達した作業員について、ベントの担当する同社の社員であると公表。保安院や東電によると、従来の上限100ミリシーベルトを超えた作業員は13日までに28人で東電社員は25人。注水やベント、タービン建屋などの放射線量測定の従事者という。