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福島第一、汚染拡散防止へ 建屋全体に特殊カバー

2011/04/15

原子炉建屋が著しく損傷した東京電力福島第一原子力発電所1、3、4号機の放射能拡散防止に向けたプロジェクトが始動する。原子炉建屋全体を、鉄骨の枠に、特殊な合成強化シートを張った仮設の建屋でカバーし、放射性物質の拡散を防止する。まず1号機から着手し、3、4号機へと展開する。実施にあたっては、沸騰水型原子炉の建設に携わってきた日立・GE、東芝の重電メーカーと、鹿島、清水建設、竹中工務店の5社による協力体制でプロジェクトを具体化していく。

1、3、4号機は水素爆発により建屋が崩壊、放射性物質の自然環境への放出が継続していることから対応が急がれていた。福島原子力発電所事故対策統合本部の「放射性物質遮へい・放出低減プロジェクトチーム」などで検討を進めた結果、現在の建屋を大型の箱のような仮設建屋で覆う方式の採用を決定した。

5社はすでに協力体制を組み、一致団結して実施に当たるとして、東京電力に実施申し入れを行っている。

検討過程では、コンクリート構造物を構築する方式など多様な案を検討したが、放射性物質の拡散を早期に防止することが先決との観点から、施工の速さが評価された。

仮設建屋方式も、放射性物質の濃度や建屋内部温度の上昇の恐れが指摘されたが、覆いの上部を開閉可能式としたり、開口部を作る、フィルター付の換気設備をつけるなどの措置で対応が可能と判断。一方で、原子炉本体の冷却機能回復も同時に進めることが重要との見解を示している。

施工は、鉄骨の枠組みに特殊な合成強化シート材を張った建屋をあらかじめ作成。大型クレーンで近傍へ吊りこみ、無人重機などで押し入れる方式が検討されている。現在、敷地内にあるがれきの除去などを行っており、この間に建屋の作成に入る。 (本紙1面より)

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