現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. デジタル
  4. デジタル機器
  5. 記事

秋葉原、震災後にはやるモノ 防災グッズモテモテ

2011年4月15日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:「東洋計測器」に陳列された放射線測定器。この購入を巡る商談が店内で進められていた=千代田区外神田1丁目拡大「東洋計測器」に陳列された放射線測定器。この購入を巡る商談が店内で進められていた=千代田区外神田1丁目

写真:「オノデン」の店内に並ぶ扇風機=千代田区外神田1丁目拡大「オノデン」の店内に並ぶ扇風機=千代田区外神田1丁目

写真:「ソフマップ」本館の防災グッズコーナーに並ぶ無停電電源装置(UPS)=千代田区外神田4丁目拡大「ソフマップ」本館の防災グッズコーナーに並ぶ無停電電源装置(UPS)=千代田区外神田4丁目

写真:携帯ガスコンロなどの防災用品が陳列された「オノデン」の店頭。テレビは緊急時の情報提供のため、店頭のものに限り電源を入れているという=千代田区外神田1丁目拡大携帯ガスコンロなどの防災用品が陳列された「オノデン」の店頭。テレビは緊急時の情報提供のため、店頭のものに限り電源を入れているという=千代田区外神田1丁目

 家電、オーディオ、パソコン、アニメ、コスプレ、フィギュア……。最先端の流行や文化、技術を国内外に発信し続ける街・秋葉原で、東日本大震災の影響で売れている「防災グッズ」について聞きました。

 「最近、売れ筋の防災グッズは何ですか?」。秋葉原の中央通りに面した電器店「ソフマップ」本館で聞いたら、店員が「これです」と持ってきた。黒い箱のような形で小包ほどの大きさ。重さ13キロほどあり、持ち運ぶのに難儀する。

 これは無停電電源装置(UPS)。充電池が内蔵されていないデスクトップ型パソコンは、停電で突然電源が遮断されると、処理中のデータが保存されず消去されてしまう。UPSは電源とパソコンの間につないで電気をため、停電した瞬間に給電を始める装置だ。相場は2〜3万円。

 東日本大震災で計画停電が実施されたのをきっかけに、同店でUPSの売り上げは3倍に伸びたといい、急きょ設けた「防災コーナー」の中心に並ぶ。「データ管理は死活問題」と企業が買い求めるという。「計画停電中にこれで3時間ほど家電を動かせるか」と尋ねる客もいたそうだが、店員は「給電できても十数分間。あくまでパソコンの電源を安全に切るための装置です」と苦笑する。

 家電量販店「オノデン」も店頭に乾電池や携帯ガスコンロなどの防災用品を並べ、花粉症対策の空気清浄機などの季節ものの製品を脇に追いやっている。レトルトカレーまである。家電製品だけにこだわらないところが「秋葉原」らしい。

 同店の本間和久総務部長が「夏はまだ先なのに、もう売れ始めている家電があるよ」と教えてくれたのは扇風機。売り上げは昨年同時期の1.5倍という。エアコンより使用電力が少ないため、夏に電力使用制限が予想される中、節電に励もうと購入する人が増えているのだそうだ。

 原発事故を受け、放射能汚染を心配する人も少なくない。放射線測定器を扱う「東洋計測器」では在庫切れとなり、予約を受け付けている。わざわざ福島県や茨城県から来る人もいる。同店によると、福島県から避難中という男性が「いつか故郷に帰りたい。最終的に自分の身は自分で守らなければならないから測定器は欠かせない」と話していたという。

 記者も、取材を終えて店を出たとき、福島県から車で来たという男性から「測定器の取材ですか?」と声をかけられた。彼は「測定器を探しに来ました。不良品が多いといううわさも聞いたけど、秋葉原ならきちんと教えてもらえると思って」と話し、店内へ消えた。(中川文如)

検索フォーム

おすすめリンク

発電所の復旧、廃炉、原発事故の損害賠償などで巨額の費用が出て行く東京電力。勝俣会長は会社の存続について「大変厳しい状況」と話した。

震災で外国要人の訪日キャンセルが続く中、いち早くやってきた仏大統領。その真の狙いは?

「被曝、汚染の違いは」「放射性物質を避けるためには」など、放射能から身を守る方法を解説。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

クラウド・コンピューティング特集

新たなIT時代を読み解くキーワード「クラウド」を理解するには?

デジタル関連の本

ソニーの電子書籍部門の責任者・野口不二夫さん

米国ソニー・エレクトロニクスのシニア・バイス・プレジデントとして、電子書籍の世界戦略で先頭に立つ。日………

表紙画像

日本的ソーシャルメディアの未来 [著]濱野智史、佐々木博

今、話題のフェイスブックを始め、ツイッター、ミクシィ、ニコニコ動画など、ネット上には次から次へと新し………

powered by Amazon.co.jp