2011年4月15日
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家電、オーディオ、パソコン、アニメ、コスプレ、フィギュア……。最先端の流行や文化、技術を国内外に発信し続ける街・秋葉原で、東日本大震災の影響で売れている「防災グッズ」について聞きました。
「最近、売れ筋の防災グッズは何ですか?」。秋葉原の中央通りに面した電器店「ソフマップ」本館で聞いたら、店員が「これです」と持ってきた。黒い箱のような形で小包ほどの大きさ。重さ13キロほどあり、持ち運ぶのに難儀する。
これは無停電電源装置(UPS)。充電池が内蔵されていないデスクトップ型パソコンは、停電で突然電源が遮断されると、処理中のデータが保存されず消去されてしまう。UPSは電源とパソコンの間につないで電気をため、停電した瞬間に給電を始める装置だ。相場は2〜3万円。
東日本大震災で計画停電が実施されたのをきっかけに、同店でUPSの売り上げは3倍に伸びたといい、急きょ設けた「防災コーナー」の中心に並ぶ。「データ管理は死活問題」と企業が買い求めるという。「計画停電中にこれで3時間ほど家電を動かせるか」と尋ねる客もいたそうだが、店員は「給電できても十数分間。あくまでパソコンの電源を安全に切るための装置です」と苦笑する。
家電量販店「オノデン」も店頭に乾電池や携帯ガスコンロなどの防災用品を並べ、花粉症対策の空気清浄機などの季節ものの製品を脇に追いやっている。レトルトカレーまである。家電製品だけにこだわらないところが「秋葉原」らしい。
同店の本間和久総務部長が「夏はまだ先なのに、もう売れ始めている家電があるよ」と教えてくれたのは扇風機。売り上げは昨年同時期の1.5倍という。エアコンより使用電力が少ないため、夏に電力使用制限が予想される中、節電に励もうと購入する人が増えているのだそうだ。
原発事故を受け、放射能汚染を心配する人も少なくない。放射線測定器を扱う「東洋計測器」では在庫切れとなり、予約を受け付けている。わざわざ福島県や茨城県から来る人もいる。同店によると、福島県から避難中という男性が「いつか故郷に帰りたい。最終的に自分の身は自分で守らなければならないから測定器は欠かせない」と話していたという。
記者も、取材を終えて店を出たとき、福島県から車で来たという男性から「測定器の取材ですか?」と声をかけられた。彼は「測定器を探しに来ました。不良品が多いといううわさも聞いたけど、秋葉原ならきちんと教えてもらえると思って」と話し、店内へ消えた。(中川文如)
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