15日午前5時前、福岡県大牟田市櫟野(いちの)の路上に手りゅう弾のような物が落ちているのを新聞配達員の男性が見つけ、110番した。爆発はしておらず、県警の爆発物処理班が約5時間後に回収、けが人はいなかった。大牟田署によると、現場は指定暴力団九州誠道会(大牟田市)系の組事務所の近くで、同署は火薬類取締法違反容疑で捜査を始めた。指定暴力団道仁会(同県久留米市)との抗争事件との関連を調べている。
同署によると、手りゅう弾のような物はこぶし大で、起爆用のピンが刺さっていたという。現場は大牟田市と熊本県荒尾市の県境近くにある片側1車線の県道で、手りゅう弾のような物は道路の中央付近に落ちていた。組事務所は約8メートル離れており、当時、事務所内には組員2人がいたという。
福岡県警など九州4県警は今月8日と14日、暴力団対策法に基づき、九州誠道会と道仁会の本部など計13カ所の事務所使用を禁じる仮命令を出したが、今回の現場近くの事務所は対象外だった。
両組織が絡んだ発砲や殺傷、爆発物による事件が3月末から続発。大牟田市では6日、九州誠道会本部事務所近くの路上で、車内の手りゅう弾のような物が爆発、同会系組員とトラブルを起こしていた元組員2人が死亡する事件も起きている。
15日の現場から約400メートル離れた所にある大牟田市立玉川小では、同日朝、通学路になっている現場を迂回(うかい)して児童が通学。現場近くの児童4人が一時、自宅待機した。荒尾市立平井小学校は休校日で、各児童の家庭に自宅待機するよう通知した。
=2011/04/15付 西日本新聞夕刊=