小沢氏の政治資金問題
資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記入事件で検察官役の指定弁護士が、民主党元代表の小沢一郎被告(68)=政治資金規正法違反の罪で強制起訴=の公判で、中堅ゼネコン水谷建設(三重県桑名市)と元秘書間の「裏献金」授受は立証しないことが2日、関係者への取材で分かった。
審理が始まっている元秘書は裏献金受領を否定しており、小沢元代表の公判の争点は、衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人との共謀の有無や、石川議員の供述調書の信用性に絞られる。
元秘書側の公判で検察側は、水谷建設は元公設第1秘書大久保隆規被告(49)から計1億円の裏献金を要求され、胆沢ダム(岩手県奥州市)の下請け工事受注了承の謝礼として石川議員、大久保元秘書に5千万円ずつ渡した、と主張。
陸山会の土地購入費に充てたとされる小沢元代表からの借入金4億円を収支報告書に記載しなかったのは「裏献金受領が露見する恐れがあったためだ」として、裏献金が事件の動機との位置付けをしている。
ただ、検察側がこの4億円の中に裏献金の一部でも含まれているという明確な証拠を得られていない状況で、指定弁護士は、小沢元代表の有罪立証をしていく上で関連付ける必要性はないと判断したとみられる。
(2011年3月 2日)
自宅を出る民主党の小沢元代表=31日午前10時30分、東京都世田谷区
小沢民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が購入した土地に建てられた秘書の家族寮=7日、東京都世田谷区
家宅捜索が行われている小沢民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が入るビルの前には大勢の報道陣が詰め掛けた=13日午後5時32分、東京都港区赤坂