「横浜7-1中日」(14日、横浜)
春の珍事!?と言っては失礼か。3年連続最下位の横浜が、昨季セ王者の中日に圧勝し、3連戦を2勝1敗と勝ち越した。横浜の開幕カード勝ち越しは実に11年ぶり。今季から主将を務める村田修一内野手(30)の激走が象徴する機動力野球が浸透しつつある。「珍事」が「旋風」に進化していけば、長〜い暗黒時代の終えんも夢ではない。
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1‐0で迎えた四回、無死一塁。ハーパーの打球が中堅・大島の頭上を越えると、生まれ変わった走者・村田がアクセル全開だ。絶対に本塁へ行く。迷いはなかった。
クロスプレーとなったが、マウンド寄りへ回り込み、懸命に右足を延ばした。ベースの上端に擦らせるように滑り込んだ。谷繁のタッチをかいくぐり、間一髪の生還。「(昨年までの)僕にはない、いいスライディング。僕自身感動しました」。ナインに笑顔と拍手で迎えられ、白い歯をこぼした。
ベンチからロッカールームにつながる通路。今季目標が壁に張られている。「チーム打率・270。出塁率・330。4点以上80試合。振り切る。全力疾走」。目標通りの試合で、11年ぶり開幕カード勝ち越し。「11年前は大学生でした」と笑わせ「中日に互角以上にやれた。今季は違う。球場に足を運んで欲しい」と呼びかけた。尾花監督も「ああいうのが得点につながる。目指す野球?かなり出せた。満足です」と手応えを口にした。
村田は春季キャンプ前、選手会長の新沼らとチームの誓いを立てた。その一つが全力疾走だ。ナインの前で「昨年まで自分はできていなかった」と謝罪。以来、凡打でも一切、手を抜かずに走る。
昨年まで怠慢走塁が目立っていた。この3連戦、多くの報道陣がその変ぼうに驚きの声を上げた。それでも新沼は「もうみんな、村田が走るのは当然のことと思っています」。村田自身も「最初は頑張らないとと思ったけど、走る量が増えて体がキレてきた」と、気負いを否定した。
09年に左右の太ももを肉離れした村田。それでも「故障の危険は誰にでもある。僕だけではない」ときっぱり。主将が走る限り、横浜が、開幕前の下馬評からして底辺の“あの”横浜が前進を続ける。
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