2011年4月15日5時18分
政府の避難指示は福島第一原発から半径20キロ、福島第二原発から半径10キロの圏内に出されている。圏内にかかっている10市町村によると、13日現在、約90人が避難していない。
家畜の世話やお年寄りの介護といった理由で残る人が多い。福島県の救援活動を担当する陸上自衛隊第12旅団によると、隊員は自治体職員に付き添って説得をしている。避難を拒む人には「長期間居残ると、放射線量が蓄積されて危険」「避難所には水や食料があって安心ですよ」などと呼びかける。それでも応じない場合、「孫や子どもが心配している」などと訴える。だが、今も居残る人が応じるケースは少ないという。
福島県は避難指示圏について、立ち入りを厳しく制限する「警戒区域」にするよう求め、政府も検討を続けている。隊員の一人は「警戒区域になれば対応は変わってくる。だが、避難指示である限り、説得し続けるしかない」と話す。