金総書記の愛犬も「ロイヤルファミリー」

飼い犬の輸入・管理に年間数十万ドル

 食糧難を訴え全世界に支援を求めている北朝鮮が、金正日(キムジョンイル)総書記一家の飼い犬の輸入や管理には年間数十万ドル(数千万円)を費やしていることが、13日までに分かった。 

 北朝鮮事情に詳しい消息筋によると、北朝鮮は毎年、フランスやスイスなどからシェパード、シーズーなどの犬を数十匹輸入し、育てている。餌やシャンプー、医療機器、薬品などのペット用品も、最高級品を毎年輸入している。消息筋は「北朝鮮が犬の健康診断のため、フランスから獣医を随時呼び寄せていると聞いた」と話す。獣医の飛行機代、診療費だけで1万ドル(約83万円)ほどを支払っているという。北朝鮮は2008年の1年間で、高級酒や高級車などぜいたく品の輸入に1億ドル(約83億円)以上を費やした。このうち、金総書記一家が特に好きなペットの購入や管理に数十万ドルを投じた。

 金総書記は1990年代初めまで乗馬を楽しんでいた。だが、92年8月に落馬事故で肩や背中に大けがを負った後、犬に関心を寄せるようになったという。金総書記の後継者に決まった三男・正恩(ジョンウン)氏の母親、高英姫(コ・ヨンヒ)氏(2004年死亡)が犬好きだったことも、金総書記に影響を与えたとみられている。

 金総書記が登場する行事に出席したことがあるという脱北者は「2000年に行われた元山の別荘での行事で、金総書記が出てくるのを緊張して待っていたところ、突然小さな白い犬が飛び出てきて、その後すぐに金総書記が姿を現した」と話した。金総書記の食事中、犬は自由に会場を歩き回り、金総書記は足元に来た犬を何度もなでていたと説明した。金総書記は、地方を視察する際にも時折犬を連れていくという。

 金総書記一家は、犬のほか猫やオウムも飼っているという。政府筋は「北朝鮮がぜいたく品の購入費1億ドルを削るだけで、コメ20万トン(年間不足量100万トンの5分の1)を買える。北朝鮮指導部は食糧を要請する前にまずは自助努力をすべきだ」と指摘した。金総書記が海外に隠し持っている金は、40億ドル(約3350億円)に達すると推定されている。

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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