経済

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東日本大震災:コメ生産、他県肩代わり 福島・宮城、計4.5万トンで調整

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で、福島、宮城両県が計約4万5600トンのコメ生産数量目標を他県に肩代わりしてもらう方向で調整していることが14日、明らかになった。津波による農地の冠水や放射性物質による土壌汚染で作付けに支障が出たためで、農林水産省が代替生産を希望する県を募り、仲介する。

 数量目標は、コメ農家に対する戸別所得補償の金額を計算する基礎となるもので、国が都道府県別の配分を決定。市町村を通じて最終的には個々の農家に割り当てられる。

 11年産米の場合、福島県は36万3680トン、宮城県は36万7950トンが配分されたが、原発事故の影響が広がる福島県は、このうち約10%にあたる3万5000トン程度(面積換算で6500ヘクタール程度)、津波被害が大きい宮城県は、約3%にあたる約1万600トン(同約2000ヘクタール)を他県に回す方向。

 数量目標を削減すれば、農家が受け取れる所得補償の金額も減るため、肩代わりする側の県が何らかの対価を支払う形になるとみられる。農水省は週明けにも関係県の意向をまとめ、福島、宮城両県に提示。県同士が折り合えば肩代わりが成立する。【行友弥】

毎日新聞 2011年4月15日 東京朝刊

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