2011年3月1日 19時33分
【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は28日、リビアの最高指導者、カダフィ大佐への圧力を強める方策として、リビアからの原油などの輸入代金支払いを2カ月間、凍結する経済制裁の検討に乗り出した。欧州外交筋が明らかにした。
支払い凍結案はウェスターウェレ独外相が同日、ジュネーブでクリントン米国務長官と会談後、記者団に明らかにした。外相は「リビアの独裁者一族に、外国人兵を雇うカネが渡らないよう万策を尽くす必要がある」と述べた。
リビアはアフリカ有数の産油国で、EU加盟国の輸入の大半は原油などのエネルギー分野。EU筋は「ドイツ提案は検討されている選択肢の一つだ」と述べ、ヘイグ英外相も記者会見で提案を前向きに検討する考えを示唆した。
サルコジ仏大統領とキャメロン英首相は追加制裁を協議するEU特別首脳会議を今週中に開催するようファンロンパウ欧州理事会常任議長(EU大統領)に提案しており、開催されれば首脳会議の場で支払い凍結案が議論される見通し。