リビア:資産凍結2.4兆円 米で史上最高

2011年3月1日 19時31分

 【ワシントン草野和彦】米財務省は28日、米国が25日に対リビア経済制裁を発動した結果、これまでに少なくとも300億ドル(約2兆4600億円)のリビア関連資産が凍結されたことを明らかにした。米国が科した経済制裁では史上最高の凍結額。リビア最高指導者カダフィ大佐が権力にしがみつく中、クリントン国務長官は28日、経済制裁などの圧力は「大佐だけへのメッセージではない」とし、大佐一族ら支持者の離反を促す狙いがあることを強調した。

 米国の制裁はカダフィ大佐一族や、人権弾圧に加担した同国の当局者、政府機関を対象に、米国内や海外の米金融機関内などの資産を凍結するもの。長官は28日の米メディアとのインタビューで、「欧州には(米国より)カダフィ一族の資産がもっとある」と述べ、欧州各国が制裁に乗り出せば「圧力が増す」と期待を表明した。

 さらに経済制裁に加え、人権弾圧を国際刑事裁判所に付託する国連安保理決議を踏まえて、大佐だけでなくその支持者が「身体的、経済的に危険にさらされている」と警告し、暴力停止を求めた。

 一方、米国務省は28日、医療品などリビアへの人道支援目的の1000万ドルを確保したと発表した。ライス国連大使によると、オバマ大統領とホワイトハウスで同日会談した潘基文(バン・キムン)国連事務総長は、人道支援を担当する調整官を任命する意向を示した。

top
文字サイズ変更
このエントリーをはてなブックマークに追加
Check
この記事を印刷

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド