入試ネット投稿:各大学で不正対策強化 対応に限界も

2011年3月1日 20時38分 更新:3月1日 23時9分

 京都大などの入試問題が試験時間中にインターネットの質問掲示板に投稿された事件を受けて、入試が残っている大学では「不正対策」を強化し始めた。受験生が持つ携帯電話を身に着けさせない工夫を徹底するなど、これまで以上に不正防止に目を光らせる。ただ、持ち込みそのものを禁止するのは難しく、限界もあるようだ。

 今月7日に約1600人が受験する駒沢大(東京都世田谷区)は、試験開始前に受験生全員に携帯電話を一度机の上に出して電源を切らせた上で、試験監督が巡回する中でかばんに入れさせることにした。さらに「試験中に携帯電話が作動した場合は不正とみなされる可能性がある」という、従来はなかったアナウンスもする。

 同大入学センターの小川隆所長は「まじめな受験生が疑いを受けないようにするにはやむを得ない」と話す。

 同様の対策は、嘉悦大(小平市)や文京学院大(文京区)も予定している。2日に入試がある大正大(豊島区)は、電源を切った携帯電話を机の上に置かせて試験を受けさせる。試験監督の目が届く場所に置いたままにすることで不正防止を図る。

 12日から2次試験の後期日程が始まる国立大学も「今まで以上に注意して監視する」(大阪大、九州大)など、試験監督の巡回を強化する。ただ、携帯電話の持ち込み禁止は、国公私大いずれも「受験生に通知する時間がない」と慎重だ。

 こうした中、10年ほど前から携帯電話を封筒に入れさせて封をし、試験中使えないようにする京都市立芸術大(西京区)の対応が注目されている。美術学部が10年近く前から始めた対策で、「携帯電話保管用」と印刷した封筒とシールを会場入り口で配布。電源を切った携帯電話を封筒に入れて封をし、かばんにしまうよう校内放送で繰り返し指示し、試験監督も確認するという。【井上俊樹、遠藤拓】

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