東京証券取引所:デリバティブ 夜間取引の開始を検討

2011年3月1日 2時30分 更新:3月1日 9時40分

 東京証券取引所は28日、デリバティブ(金融派生商品)の取引量を増やすため、10月から夜間取引を開始して取引時間を大幅に延長する方向で検討に入った。3月に発表する新たな中期経営計画(11~13年度)に取引時間の延長方針を盛り込む。海外では、私設電子取引所に押されて低迷する現物株に代わる収益源としてデリバティブ取引を強化するための再編が進んでおり、東証もデリバティブ市場の強化に取り組む必要があると判断した。

 東証の現在のデリバティブ取引時間は、午前9~11時、午後0時半~3時10分、同4時半~7時の計7時間10分。5月から昼休みを短縮、計8時間25分に延長するが、10月からさらに深夜時間帯に取引時間を設ける方針。

 東証は昨年10月、世界最大の取引所グループ、NYSEユーロネクスト傘下のロンドン国際金融先物取引所に、デリバティブの「東証株価指数(TOPIX)先物」を上場。日本の深夜にロンドンで取引が可能なことから、これまで夜間取引の導入を見送ってきた。

 しかし今年になって、NYSEユーロネクストがデリバティブに強いドイツ取引所との合併を発表するなど、デリバティブを拡充し生き残りを目指す動きが強まっている。手数料が安い私設電子取引所に現物株の取引シェアを奪われているためで、現物株が取引の大半を占める東証も、海外投資家を呼び込むためにデリバティブ強化が急務と判断した。【田所柳子】

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