2011年4月14日22時0分
津波で約1500人が死亡・行方不明となっている宮城県女川町の小中学校で14日、パンと牛乳の給食が始まった。町内で使用可能な給食調理施設は避難所で暮らす被災者の食事づくりに使われているため、当面は「簡易給食」が続く。
2日前に始業式があった女川第二小(児童150人)。6年1組では、バターロール1個と牛乳が配られると、おなかをすかせた児童から「これじゃ足りな〜い」と声が上がった。
この日は特別に、在校生の親類が支援物資として同校に送ったゼリーが1個ずつ配られた。担任の高橋英里先生(23)が「ゼリーがあと5個あります」と呼びかけると、10人の児童が一斉に手を挙げ、ジャンケンをした。クラスの児童18人は、給食を残さず食べ終えた。
高橋先生は「子どもたちが集まって食事をするのは久しぶりで、楽しそうに食べていてよかった。支援物資のありがたみも感じてもらえれば」と話していた。
仙台市の小中学校でも18日から簡易給食が始まる。市教委によると、チーズ入り、ココア味、甘みをつけたタイプの3種類のコッペパンを順に出す。パン工場の製造能力に限界があり、教職員と児童生徒分の約9万個を焼くのがやっとで、小1から中3まで同じ大きさのパン1個を出すという。(青池学)