2011年2月26日 11時53分 更新:2月26日 13時45分
26日午前0時過ぎ、東広島市河内町入野(にゅうの)の山陽自動車道下り線で、バスが横転したと110番があった。「南国交通」(鹿児島市)の大阪発鹿児島中央行き長距離高速バスで、乗務員2人と乗客10人(14~69歳の男女)の計12人は軽傷の模様。【中里顕、加藤小夜】
広島県警東広島署は、乗客の鹿児島大農学部3年、楫田(かじた)優希容疑者(22)=鹿児島市荒田2=を、走行中の車内で運転手(35)からハンドルを奪って横転させ、乗客を殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。「自殺するため、高速走行しているバスのハンドルを運転手の横から左に切った。乗客がいるのは分かっていた」などと大筋で容疑を認めているという。
同署などによると、楫田容疑者は事故の5分ほど前、「降ろせ」とわめきながら運転手に襲いかかり、控えの運転手の制止を振り切ってハンドルを奪った。バスは路肩に乗り上げた後、横転した。
楫田容疑者はスーツ姿で、就職活動のため乗車していたとみられる。楫田容疑者が、運転席と座席の間を何度も行き来する姿を他の乗客が見ていた。
また、楫田容疑者とみられる人物がインターネット上の交流サイト「フェイスブック」で、就職活動に打ち込む近況を英語で書き込んでいた。昨夏ごろは「大阪に就職面接を受けに行く」と書かれ、今年1月5日には「今春に就職を決めないといけないので、少しナーバスで忙しい」と、就活に悩む様子もうかがわれる。同26日には、「今、自分自身にチャレンジしている。春には仕事を見つける」と書かれていた。