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汚染水を「冷却」転用へ、近く新施設 着工

TBS系(JNN) 4月14日(木)18時54分配信

 一進一退の復旧作業が続く福島第一原発。原子炉建屋の放射線量は非常に高いため、発生から1か月以上たった今も、原子炉内で何が起こっているか、正確に把握できていません。ある政府関係者はこう、つぶやきました。

 「山の向こうに何があるのか分からない。今はまだ、山を登る入り口を探している状況だ」(政府関係者)

 「山」を登るため、まず必要なのは放射能に汚染された水を取り除くことです。しかし・・・

 「(2号機の)トレンチの立て坑の状況ですが、昨日からは3.5センチ水位が上昇した」(東京電力の会見、14日)

 2号機のトレンチからは13日までタービン建屋の中にある「復水器」に水を送る作業が行われましたが、その作業を止めたところ、再び水位が上がり、地表に近づいてしまったことが分かりました。

 5万トンから6万トンはあるとみられる「汚染水」。早く移送することが求められるなか、その扱いをめぐって、ある「作戦」が計画されていることが明らかになりました。

 「汚染水から放射能と海水を取り除き、これを冷却に使えないか」(政府関係者)

 政府関係者によると、集めた汚染水の放射性物質の濃度を薄め、冷却水として再利用するための処理施設を新たに建設するというのです。

 特殊なフィルターなどで汚染水から放射性物質と海水の塩分を取り除き、真水の状態にしてから、再び原子炉や使用済み燃料プ−ルの冷却用の水として使うという計画です。

 14日の保安院の会見でも・・・
 「例えば、タービン建屋の部分を含めて循環させるようなシステムを作れるかどうかとか、ある程度、水をきれいにする装置を外付けにしてやって(原子炉の水が)煮つまらないようにするとか、ひとつの例として、そういうことも考えられる」(原子力安全・保安院の会見、14日)

 海水を真水に替える装置は、すでに柏崎刈羽原発などにもあります。一方、高濃度の放射性物質の処理には過去に実績があるフランスの原子力大手「アレバ社」に依頼することを検討しているといいます。

 「我々は今、3つの分野の専門家を日本に送っています。第一は汚染水の処理のための専門家です」(アレバ社の会見、先月31日)

 政府が「汚染水の循環施設」の建設に着手するのは、大量の汚染水の処分場所が見つからないことに加え、原子炉や使用済み燃料の冷却には大量の水が必要になるためです。汚染水を冷却水に。まさに「一石二鳥」の名案にも見えますが、建設には少なくとも数か月はかかる見通しです。山の頂につながるルートは見つかるのか、手探りが続いています。(14日16:33)

最終更新:4月14日(木)20時52分

TBS News i

 

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