NZ地震:倒壊ビル 市が「使用問題なし」昨年の地震後に

2011年2月28日 21時5分 更新:2月28日 21時19分

エレベーター部分だけが残ったCTVビル=ニュージーランド・クライストチャーチで2011年2月28日午後0時32分、小川昌宏撮影
エレベーター部分だけが残ったCTVビル=ニュージーランド・クライストチャーチで2011年2月28日午後0時32分、小川昌宏撮影

 【クライストチャーチ佐藤賢二郎、矢野純一】ニュージーランド・クライストチャーチ付近で起きた地震で倒壊し、多数の日本人留学生らが行方不明になっているCTVビルについて、市当局は28日、昨年9月の地震(マグニチュード7)後に行った調査で「使用しても問題ない」と判定していたことを明らかにした。結果的に倒壊し多数の死者が出たことで、判定を疑問視する声も上がっているが、ボブ・パーカー市長は「国際基準にのっとって診断しており、責任は所有者側にある」と反論している。

 CTVビルには語学学校「キングス・エデュケーション」が入っており、被災当時、28人の日本人留学生らをはじめ多くの学生らが中にいたとみられる。

 市によると、昨年9月の地震直後、専門家が主要な建物の安全性を外観でチェックした。診断は3段階で示され▽「使用不可」を赤▽「注意して使用」を黄▽「使用に問題ない」を緑として、危険性を所有者に通知した。

 赤、黄の通知を受けた所有者には、市に改修や補強などの報告義務がある。一方、緑は「使用に当たって所有者が安全を確認し、必要な工事を行う」とだけ定められており、補強の有無などの報告義務はない。

 しかし、地元メディアなどによると、昨年の地震の影響で、CTVビルの壁にはひびが入り、入居者から危険性を心配する声が上がっていたという。

 今回の地震の犠牲者は28日現在148人で、依然50人以上の行方が分かっていない。CTVビル周辺については、7割程度のがれきの撤去が終わった。地元警察は、損傷が激しい遺体を収容するため、前日から夜間の作業を中断していることを明らかにした。

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