2011年2月28日 20時44分
笠間治雄検事総長は28日、日本記者クラブで講演し、東京、大阪、名古屋各地検の特捜部に対するチェックを強化するため、起訴を他部の検事に担当させることを検討していることを明らかにした。郵便不正と証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件を受けた再発防止策の一環で、今後、最高検内で協議するという。
昨年12月に公表した再発防止策の中で、最高検は、事件を担当する主任検事のほかに、特捜部に証拠を分析、整理して問題点などを上司に報告する検事「総括補佐官」を置くとしていた。
講演で、笠間総長は「特捜部は自分で捜査し、起訴するから暴走しやすいと考えている」との見解を表明。総括補佐官に他部の検事を充てて起訴権限を与えることを考えていると説明した。3月から特捜部の事件で試行が始まる取り調べ過程の一部録音・録画(可視化)については「不適正な取り調べは根絶できる」と述べた。
一方、最高検は28日、特捜部が容疑者を逮捕した事件で全証拠をチェックする「特捜係検事」を最高検と東京、大阪、名古屋高検に配置したことを発表した。各特捜部の事件は今後、高検検事長が直接指揮することになり、捜査に不審な点があれば、特捜係検事が容疑者を直接取り調べることもあり得るとしている。【三木幸治】