安保理:リビア制裁決議を採択 無差別暴力をICCに付託

2011年2月27日 18時49分 更新:2月27日 19時10分

 【ニューヨーク山科武司】国連安全保障理事会は26日、リビアのカダフィ政権による国民への無差別暴力について、「人道に対する罪」に該当するとして国際刑事裁判所(ICC)に付託することなどを柱とする対リビア制裁決議を全会一致で採択した。ICCの捜査が進展すればカダフィ大佐と一族、側近らが訴追される可能性が高い。

 中国は、内政不干渉の観点から国内の民主化や分離独立運動への政府による弾圧を、国際社会が非難することに比較的消極的だが、今回の決議案には賛成した。

 決議は、リビア政権上層部による市民への暴力や敵対行為を「断固として拒否する」とし、国連憲章第7章41条(平和に対する脅威などへの経済制裁)に基づき政権に暴力の即時停止を求めた。このほか、リビアへの武器輸出禁止▽最高指導者カダフィ大佐の一族や軍事部門の政権幹部計16人の国外渡航禁止▽大佐とその子供5人の海外資産凍結--を決めた。

 安保理がICCへ付託したのは05年のダルフール紛争に関して決議を採択して以来。このとき中国は棄権した。

 英国のグラント大使は決議採択後、記者団に「深い懸念と怒りを盛り込んだ決議を採択できた。2カ月以内にICCの検察官が捜査状況を安保理に報告する」と語った。潘基文(バン・キムン)国連事務総長は「決議は、基本的人権の侵害は到底許されないとの強いメッセージを現政権に送ることになる」と述べた。

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