教育現場:「不条理なクレーム」教師の4割以上が経験

2011年2月27日 8時57分

 教師の4割以上が、保護者から「不条理なクレーム」を受けていた--。柏市教委と川村学園女子大(我孫子市)が柏市内の小中学校教師らにアンケートしたところ、こんな結果が出た。「教師を信頼していない」保護者も12%いて、互いの溝が浮き彫りになった。

 昨年6~7月、小学5年と中学2年の児童生徒と保護者、教師を対象に調査。教師は825人が回答した。

 09年度に▽39%の教師が1~5件▽3.4%が6~10件▽1.5%が11件以上、不条理なクレームを受けたと回答。内容は「教師の指導のあり方」「子供同士の人間関係」などが多かった。わが子中心で、クラスのバランスを欠くような苦情を教師側が「不条理」「モンスターペアレント」と受け止めているとみられる。

 一つのクレームで保護者とやり取りした最多回数は「1~5回」が8割超。「30回」も2人いて、ともに女性の小学校教師だった。クレームが1件もない教師は56%だった。

 一方、保護者対象の調査(回答648人)では、教師を「まあ信頼している」「とても信頼している」が計79%だったが、「あまり信頼していない」「全然信頼していない」も計12%あった。教師に望むこと(複数回答)は、トップが「楽しい学校となるように運営してほしい」(65%)で、「子供に親身になってほしい」「子供たちの人間関係がよくなるようにしてほしい」も約5割に上った。

 調査した斎藤哲瑯(てつろう)同大教授(社会教育学)は「教師が保護者のクレームに苦心する実態は、柏市だけとは思えない。普段から保護者と教師の関係づくりを進め、親が地域で孤立化しないような施策も必要」と分析。「苦情を受けた教師だけでなく、学校全体で問題に取り組む態勢づくりが重要だ」と話している。【遠藤和行】

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