東京証券取引所:「11年度以降、早期に上場」経営計画で

2011年2月27日 8時53分

 東京証券取引所は26日、3月に発表する新たな中期経営計画(11~13年度)に「11年度以降、早期に上場する」との目標を明記する方針を固めた。株式市場の安定を前提に、早ければ年内の上場を目指し、4月から上場申請の準備に入る。世界的な取引所間の統合が加速する中、上場が実現すれば国内外の取引所と資本提携しやすい体制が整うことになり、東証をめぐる再編の動きが活発化する可能性がある。

 上場は、巨額のシステム投資をまかなうための資金調達や経営の透明性向上などが目的。海外では、ニューヨーク証券取引所などを運営するNYSEユーロネクストとドイツ取引所が今月、合併に合意するなど、投資家や上場企業を呼び込むため規模拡大で生き残りを目指す動きが相次いでいる。東証は年間の株式売買代金が上海証券取引所に抜かれるなど国際的地位が低下しており、上場によって「国内外の取引所との連携に向けた選択肢を増やす」(幹部)ことにつなげたい考えだ。

 東証はこれまで「10年度以降の上場」を掲げてきたが、08年のリーマン・ショック後の株価低迷や、みずほ証券との誤発注訴訟で巨額賠償を命じられた影響で、10年3月期連結決算まで2年連続の最終(当期)赤字に陥り、10年度中の上場を断念していた。しかし、10年後半以降の株価が回復基調となり、東証の手数料収入などが改善して、11年3月期決算は3年ぶりに黒字化する見通しとなり、「上場の条件が整う」(幹部)と判断した。

 ただ、東証は過去にも05年のシステム障害などで上場を先送りした経緯がある。株式市場の動向にも左右されるため、早期上場は流動的な面もある。【田所柳子】

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