京大問題ネット投稿:「携帯持ち込み禁止に」…受験生怒り

2011年2月27日 0時2分

 「次の文を英訳してください」「数学の問題です」。インターネットの質問掲示板に掲載された何気ない投稿は、京都大の入試問題だった。掲示板にアップされた「質問日時」はまさに試験中。受験生や大学関係者の間には困惑が広がった。

 京大吉田キャンパス(京都市左京区)にある入試企画課には26日夜、報道陣約10人が詰めかけた。高見純子・広報課長は「携帯から投稿したかどうかなどは、京大として確認したわけではない」と、調査中だと強調した。深夜まで幹部職員が残って対応を協議。午後11時前、大学のホームページに淡路敏之・京大理事名で「試験問題と同一内容の文章がネット掲示板に掲載されるという事態が発生しました。不正行為等が発覚した場合には厳正に対処します」との文章をアップした。

 京大工学部を受験した浪人生(20)=神奈川県=は「まじめに受験している人をあざ笑う行為で許せない。試験会場では携帯電話の電源を切るよう言われるが、本当に切るかどうかは本人次第。不正をしようと思えばできないことはないと思う」と話した。

 法学部を受験した高3の男子生徒(18)=大阪府茨木市=は「受験生が不正をしたのなら許せないが、試験会場には複数の監視員がおり、不正はすぐに見つかると思う」と話した。法学部を受けた別の高3の男子生徒(18)=大阪市淀川区=は「必死で勉強してきた。ずるいことをして受かろうなんて許せない。大学は徹底的に調査してほしいし、今後は、携帯電話の持ち込みを禁止すべきだ」と話した。

 ◇早大では過去に入試問題漏れ

 大学入試の不正を巡っては、04年11月、韓国の大学修学能力試験(日本の大学入試センター試験に相当)で、携帯電話を使った大規模なカンニング事件が発覚。成績優秀な受験生が答案を携帯電話の文字メッセージで作成し、外部協力者を中継したうえで、現金を支払った別の受験生に届けていた。少なくとも全国31カ所で280人以上が関与していることが発覚し、韓国社会に大きな衝撃を与えた。

 国内では80年3月、早稲田大商学部の入試問題が漏れていたことが発覚。受験生側から多額の金が流れ、大学職員らが窃盗などの容疑で逮捕された。最近では、08年4月には東京大大学院で、問題作成をした男性准教授が複数の学生に問題を漏らして懲戒解雇されるなどしている。

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