2011年2月26日 21時38分 更新:2月27日 3時1分
京都大で25、26日に実施された前期日程の2次試験で、数学と英語の入試問題が、試験時間中にインターネットの質問掲示板に投稿され、第三者が回答していたことが26日分かった。いずれも試験開始7分後から、数学は文系の問題すべてが流れ、英語は問題の一部だった。京大は入試問題が漏えいした可能性があるとみて調査を始めた。同じ投稿者名で早稲田大、立教大、同志社大の入試問題でも同様の投稿があり、回答があったことも分かった。
入試問題が投稿されたのはインターネットで質問を投稿し、見た人が回答する掲示板「ヤフー知恵袋」。
京大文系数学の入試時間は25日午後1時半から同3時半。問題の投稿は同1時37分に始まり、1問ずつ紹介し「解答だけでなく途中計算もよろしくお願いします」と同2時11分までに6回ですべての問題を書き込んだ。全問題への回答が掲示板に寄せられ、うち4問は試験時間内だった。
英語の試験時間は26日午前9時半から始まり、投稿は同37分と同45分の2回。1問目には同9時43分に回答が寄せられた。
投稿者は掲示板で「aicezuki」と名乗り、年齢などは非公開。携帯電話からアクセスした形跡があった。他大学では早稲田大文化構想学部の英語の問題で今月12日に回答を求めるなどの投稿と回答が残っていた。
京大によると26日午前11時半ごろ、学内関係者を名乗る電話があり、調査を始めた。投稿に使われたとみられる携帯電話について入試会場では、受験生に電源を切ってかばんの中にしまうよう指示。受験生の途中退席は認めず、トイレにも同行するとしており、報道機関への問題提供も試験終了後だという。
京都府警の捜査関係者は漏えいが、入試の公正さを害して大学の業務を妨げる、刑法の偽計業務妨害などの犯罪に該当する可能性があると指摘している。【広瀬登、熊谷豪】