2011年2月25日 8時47分 更新:2月25日 12時5分
総務省は25日、10年国勢調査の速報値に基づき、衆院小選挙区の議員1人当たりの人口の差を示す「1票の格差」が最大2.524倍に達したとの試算結果を公表した。人口に基づく都道府県別の議員定数は、東京都や鹿児島県など7都府県で「4増4減」の見直しが必要になる。衆院議員選挙区画定審議会は格差是正に向け、3月1日から区割り見直し作業に入り、1年以内に見直し案を首相に勧告する。
同審議会設置法では、1票の格差について「2倍以上とならないようにすることを基本とする」と定めている。しかし、人口が最少の高知3区と比べると、最大の千葉4区をはじめ、神奈川10区、東京6区など300小選挙区中97選挙区で格差が2倍を超えた。
00年国勢調査を受けた区割り見直し後は最大2.064倍、2倍を超える選挙区も9選挙区にとどまっており、10年で格差が広がった。また「平成の大合併」に伴い、複数の選挙区にまたがる市区町が92自治体に上っており、審議会の検討対象となる。
衆院比例代表の定数を人口に応じて比例配分すると南関東ブロックが22から23、東京ブロックが17から18へ各1増。一方で、東北ブロックは14から13、九州ブロックは21から20へ各1減となった。
一方、参院選挙区の1票の格差は、議員1人当たりの人口が最多の神奈川県と最少の鳥取県で5.126倍に達した。05年国勢調査後の公選法改正で格差は最大4.842倍となっていたが、速報値では大阪府も5倍を超えており、民主党などで区割り見直しの検討を進めている。【笈田直樹】