米国:オバマ大統領、リビア制裁示唆…武力弾圧を非難

2011年2月24日 10時56分 更新:2月24日 11時13分

 【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は23日、ホワイトハウスでリビア情勢についての声明を読み上げ、反政府デモへの武力弾圧でリビア国民が殺害されたことを「言語道断で許し難い」と厳しく非難した。さらに国家安全保障担当チームに対して「この危機に対応するため、あらゆる選択肢を用意するように指示した」と述べ、リビアへの経済制裁など具体的な措置に取り組む姿勢を示した。カダフィ大佐らリビア高官の米国への渡航禁止や資産凍結などを念頭に置いているとみられる。

 大統領の声明に先立ち、クローリー国務次官補(広報担当)は23日、米国の選択肢としては「米国とリビアとの間だけでなく、多国間での制裁の検討が含まれている」ことを明らかにした。

 リビア情勢に関して大統領は18日に暴力を非難する声明を発表したが、見解を直接述べたのは初めて。カダフィ政権について「(暴力は)国際的規範を侵している」と指摘し、人道支援の受け入れに応じなければ「人権侵害の代償に直面する」と警告した。

 リビア情勢が極めて不透明な中、オバマ政権は在リビア米国人の保護を「最優先事項」(大統領)にし、カダフィ政権を刺激する言動を避けてきた。23日までに在リビア米国人を乗せたチャーター船がトリポリを出港するめどがたったことで、非難のトーンを強めたようだ。

 大統領はまた、クリントン国務長官が28日にジュネーブで開催される国連人権理事会の会合に参加することや、バーンズ国務次官を欧州などに派遣し、リビア情勢を協議することも明らかにした。

 ロイター通信によると、昨年の米国の対リビア輸出は約7億ドル、財政援助は100万ドル以下にとどまる。クリントン長官は23日、「米国よりもリビアと関係が深い国がたくさんある」と米国の影響力不足を認め、「国際社会が共に行動するときだ」と強調した。

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