2011年2月24日 11時15分 更新:2月24日 13時56分
23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、主要産油国リビアの混乱拡大を受けて急騰、指標である米国産標準油種(WTI)の4月渡しは一時、1バレル=100ドルをつけた。100ドル台は、リーマン・ショック直後の08年10月2日(100.37ドル)以来、約2年5カ月ぶり。終値でも、前日比2.68ドル高の98.10ドルと、08年10月1日(98.53ドル)以来の水準となった。
リビア国内油田の生産中断が相次ぎ、原油供給が減少するとの不安が広がったことが響いた。スペインのレプソル(日産35万バレル)や、ドイツ系化学大手「BASF」の関連会社ウィンターシャル(同10万バレル)が操業停止を発表したほか、イタリアの石油・ガス大手「ENI」、仏トタルなども一部停止に追い込まれている模様だ。英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)によると、生産能力(日量約160万バレル)は、約半分に落ち込んでいるという。ロイター通信は「最低でも4分の1が閉鎖された」と伝えた。
減産への警戒感から、23日のロンドン市場で、欧州の原油取引の指標となる北海ブレント原油先物(4月渡し)が、前日終値比5ドル以上高い1バレル=111.25ドル台で取引を終えた。24日午前の東京工業品取引所の原油価格も、取引の中心となる7月渡しで一時前日終値比2080円高の1キロリットル=5万5240円(1バレル=106.79ドル)と、08年10月7日(5万5480円)以来、2年4カ月ぶりの高値をつけた。【大久保渉、ダブリン会川晴之、ワシントン斉藤信宏】