2011年2月23日 21時16分 更新:2月24日 0時51分
【クライストチャーチ佐藤賢二郎】ニュージーランド・クライストチャーチ付近で22日発生したマグニチュード6・3の地震で、多数の日本人が被災したとみられる市内の語学学校「キングス・エデュケーション」が入るCTVビルの倒壊現場で23日夜(日本時間同日午後)、一時中断していた捜索が再開され、24日未明まで続いた。警察当局はCTVビル倒壊現場で100人以上ががれきの下敷きになっているとみて、同日早朝から捜索を再開する。また、同校で語学研修を受けていた可能性のある日本人で、連絡が取れない人は少なくとも27人に上っている。
相次ぐ余震と降雨に加え、周辺のビルが倒壊する危険もあるため捜索は難航。警察当局が救助活動を一時中断していた。現場近くに待機中の救急車数台が動くことはなかった。
日本外務省海外邦人安全課などによると、23日午後9時現在で連絡が取れないのは▽富山外国語専門学校(富山市)の19~22歳の10人▽M・I・海外留学(京都市右京区)が留学をあっせんした2人▽海外留学あっせん企業「ワールドアベニュー」(東京都千代田区)の10人▽個人留学生5人--の計27人。
個人留学生には、「京都外国語専門学校」(京都市左京区)を昨年9月に退学しキングス・エデュケーションに入学した女性(23)のほか、23日に新たに判明した金沢市出身の元新聞記者、北川泰大さん(39)と富山県出身の奈良女子大文学部2年の女子学生(20)も含まれる。文部科学省によると、学生は被災した富山外国語専門学校の学生と行動していたという。残る2人は19歳と20代前半の女性。
ワールドアベニューによると、10人のうち公表することに家族の了承が得られた8人は滋賀、福岡、東京、埼玉、和歌山、千葉、大阪、栃木の8都府県のいずれも女性で27~41歳という。
一方、枝野幸男官房長官は23日夕の会見で、東京海洋、琉球、東京、九州の各大学で1人ずつ安否未確認の学生がいると述べた。
このほか毎日新聞の取材で▽新潟県糸魚川市の女性(32)▽大分市出身の女性(32)--らが親族と連絡が付いていないことが分かった。
一方、クライストチャーチでは市内の8割が断水。キー首相は同日、国家非常事態を宣言し、警察当局は市中心部への住民の夜間外出を禁止した。毎日新聞の電話取材に複数の住民が語ったところによると、同市の南東約12キロのレトルトンなど海岸部では地面が液状化した。
<安否が未確認の学生ら>※23日午後9時現在
▽富山外国語専門学校=10人
富山市の作田沙耶さん(19)
19歳の女性3人
富山県高岡市の金丸佳世さん(19)
石黒朋規さん(19)
女性(19)
富山県上市町の蓮本優喜さん(22)
富山県小矢部市の女性(19)
金沢市の菊田紗央莉さん(19)
▽M.I.海外留学 =2人
盛岡市の早坂美紀さん(37)
神戸市の大坪紀子さん(41)
▽ワールドアベニュー=10人
栃木県の女性(27)
埼玉県の女性(30)
千葉県の女性(41)
東京都の女性(30)
滋賀県の女性(28)
大阪府の女性(35)
和歌山県の女性(28)
福岡県の女性(29)
ほか2人
▽個人留学=5人
元京都外国語専門学校の女性(23)
金沢市の北川泰大さん(39)
富山県出身の奈良女子大2年生(20)
女性(19)
20代前半の女性