音楽情報サイト:HOT EXPRESSthere is music by side ホットエキスプレス・ミュージックマガジン  
 
   
 
音楽情報サイト:HOT EXPRESSニュースインタビューライブレポート
レビューチャートメールマガジンスペシャルページ
SEARCH
アーティスト検索
 
 

アンジェラ・アキ ライブレポート

アンジェラ・アキ ライブレポートTOP画像
【アンジェラ・アキ Concert Tour 2009 ANSWER supported by JP 日本郵政グループ】
2009.04.19(SUN)
神奈川県民ホール
2009.08.07(FRI)
東京国際フォーラム ホールA
2009.09.13(SUN)
愛知県芸術劇場大ホール
01.たしかに
02.Knockin' On Heaven's Door
03.Final Destination
04.HOME
05.ヘイ・ジュード(ザ・ビートルズ カバー)
06.Again
07.愛の季節 ※神奈川県民ホールは『黄昏』
08.レクイエム
09.Rain
10.ダリア
11.サクラ色
12.ファイター
13.ANSWER
14.手紙 〜拝啓 十五の君へ〜
En1.今すぐKiss Me(LINDBERG カバー)
En2.This Love
Archive
アンジェラ・アキ アーティストページ

2009.04.19(SUN)神奈川県民ホール

 「たしかに!たしかに!」のフレーズと共に、ひとり、またひとりと笑顔でハンドクラップをしながら立ち上がり、ドラム、ベース、そしてアンジーが奏でるピアノの音色と喜びに満ちた歌声にその気持ちを高めていくオーディエンス。そして早くも「カモーン!歌って!」というアンジーのコールに大合唱を巻き起こしていく。演奏を終えると共にピアノから飛び降りるように僕らの前に立つアンジー。そして「私のライブの注意事項」と言って「私はほんまにいっぱい喋る人なんです」と前もって伝えておく(笑)。更にはベースの沖山優司、ドラムスの村石雅行を紹介して、このシンプルな3ピース構成でスペシャルなライブをお届けしたいと、今日の“ANSWER”を見つけて帰ってもらいたいと伝え、純度の高い音楽と歌声を立て続けに披露。
 そして「横浜までやって参りましたぁ!」と今日も始まる、恒例の「アンジーの勝手にしゃべらナイト」! ザ・ビートルズ『ヘイ・ジュード』の歌詞の意味を丁寧に教え、この曲同様に人の名前がタイトルに入ったキャッチーな曲として『いとしのエリー』『エリーゼのために』、そしてまさかの北島三郎『与作』を、しかも客席から「ヘイヘイホー」の大合唱も巻き起こるサプライズ付きで披露される。また「ヘイ」の呼びかけで始まるキャッチーな曲として、アヴリル・ラヴィーン『ガールフレンド』や「ねぇ」で始まるDREAMS COME TRUE『LOVE LOVE LOVE』と、これまたアンジーの声で聴けると思わなかった曲を次々と披露。そして“呼びかけ”と“人の名前”の両方が入った曲と言って「ねぇムーミン♪」と歌い出し、最後は『ヘイ・ジュード』をここにいる全員で大合唱。まさかこうしたコンサート会場で、2009年にこの曲を大声で大合唱する場面に居合わせることができるとは……、毎度毎度のことだが、感動的である。

2009.08.07(FRI)東京国際フォーラム ホールA

 今日は【アンジェラ・アキ Concert Tour 2009 ANSWER】42本目のライブ。打ち上げで使った山口県のフグ屋さんのお母さんも知っていたという(笑)新曲『愛の季節』が中盤に披露された。初めて運命を信じて飛び込んだ恋。愛の花が咲き乱れる。しかし季節の流れと共に会話も無くなり、愛の花は枯れてしまう。それでも離れなかった2人のもとに、2度目の春は必ず訪れる。再び新たなる愛の花が咲き乱れるのだ。そんな“愛の季節”の巡りを懸命に伝えるアンジー。その後も彼女の魂の叫びは止まらない。気付くのが遅すぎたこと、生きてるときに言えばよかったこと、いつ終わるか分からない人生だからこそ当たり前のことを口にする大切さを伝えるべく『レクイエム』が披露された。ツアー前半に聴いたそれとは明らかにエモーションが違う、彼女自身の肉体をも凌駕する音楽として響き渡り、最終的に主人公が死を受け止めるまでのストーリーを懸命に描いた3人に、鳴りやまない拍手が降り注ぐ。
 また『レクイエム』と肩を並べる集中力の高さを要す『ダリア』。この曲も会場中の人々の心を鷲づかみにした。その涙、その悲しみ、その苦しみに意味があったと思える日は必ず来るから―――。それを伝えるために彼女は、生まれて初めて愛した人との日々を振り返る。赤いダリア色に染まったステージで初めての愛を歌い叫ぶアンジーの声は、やがて自分の想いとなり、涙が零れる。そして同じく花の歌で、悲しみから立ち上がった者だからこそ生み出せた『サクラ色』、更には失った大切なモノを取り戻すための戦いの歌『ファイター』が響き渡り、僕らは生きる力を手にするのだった。

2009.09.13(SUN)愛知県芸術劇場大ホール

 最終公演のクライマックスは、言うならば歓喜の宴。大ボリュームのハンドクラップと共にひとり、またひとりと立ち上がっていくオーディエンス。ニューアルバムのタイトルトラックであり、このツアーのテーマでもある『ANSWER』を微笑ましい気持ちで聴きながら、アンジーと同じように“誰かと共に生きる”ということの意味を日々考えながら懸命に生きる者として、その心と体を揺らしていく。そしてこの日も最後はもちろん、たくさんの出逢い、繋がりを生み出した名曲『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』。フルコーラス大合唱。そのメロディとみんなの人生、日常の中から溢れ出る声たちが強く優しく響き渡り、共に歌う僕の目からは何度も涙が零れる。幸せな事を願います、こんなシンプルな言葉にこんな強い想いが溢れることを、自ら歌うことで知ることができた。
 アンコール。こちらも毎度恒例の邦楽カバーコーナーが始まる。曲はアンジーが15歳のとき、ライブで聴いてはしゃぎまくっていたというLINDBERGの『今すぐKiss Me』! この曲の素晴らしさを改めて噛み締めながら歌う彼女と、共に歌いながら凄まじい盛り上がりを見せていくオーディエンス。しかしこれで終わってしまうと、私のライブは何だったんだ?って話になってしまうと(笑)ラストはもちろんアンジェラ・アキの曲。歌う度に彼女とリスナーのキズナを深めてきた『This Love』が披露される。今回のツアー、彼女と同じ時間を共有した数え切れないたくさんの人々。どれだけの人がその心に“ANSWER”を見つけ出したのかは知る由もない。けれど、もしその答えが“生きる”ための力になったとしたならば、―――奇跡を待つよりこの手をつなぎたい 信じる力が私を自由にする―――、このメッセージほど、その者の意思や信念を代弁する言葉はあるまい。

 すべてを歌い終えたアンジーはとても幸せそうな表情を浮かべていた。その表情があまりにも周りの席の人たちとそっくりで、なんだか嬉しくなった。僕もあんなくっしゃくしゃな顔で笑っていたんだろうか。だとしたらちょっと恥ずかしいけど(笑)すげぇハッピーだな。


Live Report:平賀哲雄
Page Design:梅原直也