平成14年10月29日
東京電力株式会社
当社は、グループ企業の損害保険を再保険として専門的に引き受け、グループ全体
としての保険料低減や保険リスクの対応強化をはかるため、本日、当社が100%出資
する海外再保険子会社(キャプティブ保険会社(注1))である「テプコ・リー(TEPCO
Reinsurance Company PCC Limited)」をイギリス領チャンネル諸島にあるガーンジ
ー(注2)に設立いたしました。
このキャプティブ保険会社は、グループ企業(注3)が加入している火災・動産総
合・賠償責任などの損害保険を、国内の損害保険会社を通じて再保険として専門的に引
き受け、自家保有するとともに再々保険として再保険市場へ手配を行います。これは、
グループ企業の損害率(受取保険金/支払い保険料)が他企業と比較して低いことに
着目したもので、キャプティブ保険会社は国内損害保険会社から受け取る再保険料と
支払い保険金の差額などから生じた利益を得ることができます。
なお、キャプティブ保険会社の運営・管理業務(注4)については、大手保険会社で
あるAIG(American International Group Inc.)に委託する予定です。
キャプティブ保険会社を設立するにあたっては、対象となるグループ企業の保険を
種目ごとに集約する包括保険を導入いたします。この結果、これまではグループ各社
が保険契約者かつ被保険契約者でしたが、今後は、当社が代表して保険会社と一括し
て契約する保険契約者となります。これにより、例えば対象のグループ企業全体で127
本の契約があった火災保険を1本にまとめることができるなど、契約手続きの大幅な
効率化をはかることができます。
さらに、当社が損害保険会社と提案コンペ方式によって保険料を決定するため、保
険種目によって異なりますが、今回は平均で20%程度の保険料低減が期待できます。
また、グループ企業の保険手配を順次統一化することにより、グループとしての経営
リスク管理強化や損害率低減のインセンティブ効果も期待できます。
当社はこれまでも、天候リスク交換契約など経営リスクの軽減に取り組んでおりま
すが、今後は、包括契約の対象となるグループ企業を順次拡大するとともに、当社自
らの損害保険への活用も検討するなど、あらゆるリスクへの対応を強化してグループ
全体の収益安定化をめざしてまいります。
以 上
(注1) キャプティブ保険会社とは、一般の損害保険会社のように不特定多数の顧客
を対象とするのではなく、特定企業グループが自らのリスクを再保険として引
き受けるために設立する再保険会社のこと。欧米ではリスクマネジメントには
欠かせない存在だが、日本では約80社が利用している。電力業界で設立するの
は初めて。
(注2) キャプティブ保険会社を設立するイギリス領チャンネル諸島ガーンジーは、
イギリス海峡シェルブールの沖合に位置しており、再保険の大市場(ロンドン、
ニューヨーク、バミューダ)へのアクセスが良く、多数のキャプティブ保険会
社が立地している。
(注3) 初年度は主に当社の出資比率が80%以上の子会社である東電不動産管理(株)、
東新ビルディング(株)、東京都市サービス(株)、東電工業(株)、東京電
設サービス(株)など24社を対象としている。
(注4) キャプティブ保険会社の運営概念図は別紙の通り
<参考>
キャプティブ保険会社の概要
(1)会 社 名:テプコ・リー(TEPCO Reinsurance Company PCC Limited)
(2)設 立 日:平成14年10月29日
(3)事業内容:当社およびグループ企業に関わる再保険の引き受け
(4)所 在 地:Polygon Hall, Le Merchant Street, St. Peter Port,
Guernsey GY1 4HY, Channel Islands:
(イギリス領チャンネル諸島ガーンジー)
(5)資 本 金:1億2千万円
(6)出資構成:当社100%出資
(7)社 員:4名
取締役社長(非常勤) 湯本 和伯(東京電力(株)企画部)
取締役(非常勤) 西村 浩治(東京電力(株)国際部)
取締役 Mr. Richard J Collas(在ガーンジー)
取締役 Mr. Richard J Tee(在ガーンジー)
以 上
<別紙>運営概念図(PDF 21KB)
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