リビア:カダフィ大佐が退陣拒否 国営テレビで演説

2011年2月23日 1時12分 更新:2月23日 1時38分

 【カイロ伊藤智永、マナマ鵜塚健】北アフリカ・リビアの最高指導者カダフィ大佐は22日、国営テレビで演説し、「リビアは私の国だ。国は離れない」と退陣を拒否した。大佐は地方自治評議会の設立を表明した。地方自治体に予算など権限の一部を移譲する方針とみられるが、カダフィ体制に反対するデモ隊の不満は収まらず、反政府活動に逆に火を付ける可能性が高い。

 激しい武力弾圧にもかかわらず、反政府デモは継続し、東部のいくつかの都市は反政府勢力が支配下に治め、ベンガジでは既に衝突が収まっている模様だ。米CNNによると、同国東部で反政府勢力は秩序安定のため委員会を設置。指導者を名乗る者は「軍の大部分が反政府勢力に加わった」と話した。ロイター通信によると、東部トブルク郊外の兵士は「もはやカダフィ大佐は支持しない。東部は政府のコントロール外だ」と語った。

 また、混乱を受けてベンガジ、トリポリなど複数の貨物港が閉鎖された。中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、国内の広い地域で通信が遮断されているという。

 中東の衛星テレビ、アルアラビーヤによると、15日夜以降の政府の武力弾圧などによる死者は800人に上るという。また、国連安全保障理事会は22日、リビア情勢について協議した。

 一方、ペルシャ湾の小国バーレーンの首都マナマで続いていたイスラム教シーア派住民による反政府デモは22日、これまでの参加者を上回る数万人規模に達した。事態収拾を図るハマド国王が21日、シーア派政治犯の釈放を命じたが、デモが収まる気配はない。政府に抗議して多くの公立学校や一部の病院、工場などで労働者が相次いでストライキに入り、社会的影響も広がっている。

 イエメンでも数千人規模のデモが発生した。

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