NZ地震:クライストチャーチ 古い建物で耐震の遅れも

2011年2月22日 20時52分 更新:2月22日 23時11分

一部が倒壊したクライストチャーチ中心部の大聖堂=2011年2月22日、ロイター
一部が倒壊したクライストチャーチ中心部の大聖堂=2011年2月22日、ロイター

 ニュージーランドは日本と並ぶ世界有数の地震国で過去にも大きな地震が発生、その度に建物の耐震性が強化されてきた。しかし、クライストチャーチは英植民地時代の面影が残る古都で、耐震性の低い古い建物も多い。直下型で震源も5キロと浅く、地震の規模に比べて大きな被害をもたらしたようだ。

 「崩れた建物の大半は鉄筋の入っていないれんが造りだ。古い建物は地震の少ない英国の技術で造られている。首都ウェリントンのような新しい都市では、これほどの被害はなかったのではないか」--。同国出身の建築家、ピーター・ボロンスキーさん(49)=京都市=は指摘する。

 植村善博・佛教大教授(自然地理学)によると、1931年に起きたマグニチュード(M)7.9の地震を契機に、35年に建築物の耐震基準が強化された。だが、それ以前に造られたれんがや石を積んだ耐震性の低い建物も多く、文化財の教会もこれに該当する。

 一方、今回の地震はM6.3で、昨年9月のM7.0の震源に近いが、これまで余震のない空白域で、活断層にひずみがたまっていたとみられる。大木聖子・東京大助教(地震学)は「最大余震」との見解を示し、今後も余震は続くとみる。【山田大輔、八田浩輔、野田武】

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