リビア:東部一帯、反政府勢力の支配下に

2011年2月22日 22時6分

 【カイロ和田浩明、伊藤智永】反政府デモの拡大が続く北アフリカ・リビアの東部一帯は22日までに、反政府勢力の支配下に入った模様だ。首都トリポリなどでの戦闘機による機銃掃射など常軌を逸した武力鎮圧を行ったカダフィ政権は、退陣を求める内外の圧力にさらされている。チュニジア、エジプトという強権的政権が相次いで倒れた中東情勢は、さらに緊迫の度を増している。

 リビア東部に入った米CNNによると、反政府勢力は秩序安定のため委員会を設置。指導者を名乗る人物は「軍の大部分が反政府勢力に加わった」と話している。

 ベンガジなど同国東部では、反政府勢力側は武装した人員を配置し、親カダフィ大佐派の反撃を警戒しているという。また、ベンガジの住民は毎日新聞の取材に「ベンガジから数万人、アルベイダから数千人が反政府勢力の応援のためトリポリに向かっている」と証言した。

 また、多くのエジプト人労働者がリビアから退避を始めた。エジプト軍は国境付近に仮設病院やキャンプを設置して受け入れ態勢を整えている。

 一方、21日に政府が行ったデモ隊への無差別攻撃について、ピレイ国連人権高等弁務官は22日、「人道に対する罪」の疑いがあると警告。カダフィ政権を「市民に対する不法な暴力行為を直ちにやめるべきだ」と批判し、国際的な実態調査が必要だと訴えた。

 国連安全保障理事会は22日、リビア情勢を受けて緊急会合を開催。アラブ連盟も同日、カイロで会議を開いて対応を協議する。

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