光回線接続料:KDDI、1回線貸しに反対

2011年2月22日 21時5分

 NTTの光回線を他社向けに貸し出す際の接続料金を検討する総務省の審議会は22日、通信事業者にヒアリングを行った。ソフトバンクの孫正義社長が「ADSL並みの1400円までの大幅な値下げが可能になる」として、貸し出し単位を現在の光ファイバー1本(8回線)から、1回線に縮小するよう求めた。これに対し、KDDIの田中孝司社長は「サービスの均一化や設備競争進展の阻害につながるなど問題があり、安易に導入すべきでない」と反対し、借り手の事業者間で立場が分かれた。

 KDDIは3年前の審議会で、1回線単位貸し導入を求めていた。ところが同社はその後、電力系の光回線事業買収や、ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(JCOM)への出資により、自前の回線によるサービスを拡大している。このため、1回線単位貸しの導入で政策的に値下げされた場合、リスクを取った設備投資を阻害すると反対に転じた。また、現行の8回線単位貸しでも、NTTより安く、高速なサービスを提供できていると実績を強調した。

 ソフトバンクなど自前の回線を持たない事業者は、8回線単位では、その一部しか売れないリスクが大きく、都市部以外での参入が難しいとし、1回線単位貸しの導入を求めた。

 NTTは先月、来年度以降の接続料金について8回線単位の設定で申請。これに対し、総務省は認可の適否を示さず審議会に諮問し、白紙委任する形になっている。【乾達】

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