2011年2月22日 21時2分 更新:2月22日 21時36分
民主党は22日の常任幹事会で、強制起訴された小沢一郎元代表を判決確定まで党員資格停止にする処分を正式に決定した。菅直人首相は小沢元代表の「政治とカネ」問題に対する「党のけじめ」と強調するが、野党は小沢元代表の証人喚問要求で攻勢を強めている。民主党内の小沢グループは強く反発、11年度予算関連法案の審議が行き詰まる「3月危機」をにらみ、退陣要求で揺さぶりをかける構えをみせている。
処分は常任幹事会が15日、党倫理委員会(委員長・渡部恒三最高顧問)に諮問。小沢元代表は22日の倫理委で「前例がなく、合理的な理由は見当たらない。これからの裁判で無実は明らかになる」と弁明したが、倫理委は「諮問の通りが適当」と答申した。
これを受け常任幹事会は22日、小沢元代表が政治資金規正法違反で強制起訴されたことを党倫理規則に定める「政治倫理に反し、党の品位を汚す行為」と認定。党員資格停止処分については「原則として最長6カ月」とする党の指針があるが、「裁判手続きに要する期間を予見できない」との理由で例外扱いとし、「判決結果により別途処分が検討される場合がある」ことも決定文書に明記した。
常任幹事会では、小沢元代表に近い川内博史衆院議員が「冤罪(えんざい)の可能性が高い。党の分裂につながる」と処分に反対し退席。処分期間の短縮を求める意見も出たが、川内氏の退席後に全会一致で処分を決めた。小沢元代表は党倫理規則に基づく不服の申し立ても検討しているが、決定が覆る可能性は低いとみられる。
首相は22日夜、記者団に「丁寧な手続きを経て、党のけじめとして決めた」と説明。小沢元代表は、東京都内の会合で「一昨年、政権を担わせていただいた。一人一人が原点を思い起こして政治の任に当たらなければならない」と首相に対抗する意欲を示した。【野口武則、野口愛】