リビア:カダフィ大佐退陣圧力、内外で強まる 側近ら辞任

2011年2月22日 20時37分 更新:2月23日 0時13分

 【カイロ伊藤智永】デモ参加者を無差別で殺害する強硬な武力鎮圧を続けるリビアのカダフィ政権は、最高指導者カダフィ大佐の側近や外国に駐在する外交官が次々と辞任するなど身内からの離反に直面している。無差別空爆という暴挙に対する国際的非難も高まる一方だ。近年、米欧諸国との融和路線を取って経済開発を進めてきたカダフィ大佐に退陣を求める内外の圧力は、さらに高まっている。

 15日夜に始まった反政府デモの風向きが変わったのは20日だ。東部ベンガジで「稲妻部隊」と呼ばれる治安部隊の一部が武力弾圧を拒否し、カダフィ大佐に忠誠を誓う精鋭部隊と交戦した。ベンガジは同日夜には反政府側の支配下に落ちた。

 この日、アラブ連盟のリビア代表が武力弾圧に抗議して辞任した。カダフィ大佐の次男セイフ・アルイスラム氏がテレビ演説で対決姿勢を改めて打ち出した翌21日には、カダフィ大佐の側近であるアブドルジャリル法相も、「過度な暴力」を理由に辞任した。

 この日以降、インド、中国、バングラデシュなど世界各国に駐在するリビア大使が続々と辞意を表明。AP通信によると、オジリ駐米大使は「国民を殺害する政府を支持しない」と語り、カダフィ大佐の退陣を要求した。リビアの外交官は武力行使を正当化する政権の代弁者としての役割を拒否し、逆に、国際社会の介入を求めた。

 首都トリポリで戦闘機による機銃掃射などが行われ、市民多数が殺害された21日の無差別空爆を受けて、国際社会からのカダフィ政権批判は一気にトーンを高めた。

 国連の潘基文(パン・キムン)事務総長は「激怒している。市民への攻撃が事実なら国際人道法の重大な違反であり、最も強い言葉で非難する」と表明。クリントン米国務長官も「国際社会とともにリビアでの暴力を強く非難する。今こそ許されない殺りくを止めるべきだ」と非難した。

 旧宗主国で08年にリビアと友好条約を結んだイタリアのベルルスコーニ首相は当初、「状況が明らかでない」と明確な態度表明を避けてきたが、この日の無差別空爆で姿勢を転換。カダフィ大佐と個人的にも親しいという首相だが、「市民への暴力の行使を懸念している」との声明を発表した。

 カダフィ政権は03年に大量破壊兵器の放棄を宣言して以降、米欧との融和路線を進めてきた。だが、個人崇拝を強要し、体制に批判的な人物を次々と粛清する恐怖政治の体質は変わらなかった。今回のデモ鎮圧の過程で露呈した強権体質が、自らを窮地に追い込む結果を生んでいる。

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