代襲相続:孫認めず 先に子死亡で遺言無効 最高裁初判断

2011年2月22日 11時23分 更新:2月22日 11時59分

 親の遺言で全財産を相続することになっていた子が親より先に死亡した場合、孫が代わりに遺産を相続(代襲相続)できるかが争われた訴訟の判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は22日、「遺言は原則無効となり、孫は代わりに相続できない」とする初判断を示した。

 同様のケースで、高裁段階で判断が分かれていたが、遺言は有効と主張した孫側の敗訴が確定した。

 訴訟では、金沢市内の土地・建物を所有する母親が93年、全財産を長男に相続させるとする遺言を作成したが、06年に長男が先に死亡。その3カ月後に母親が死亡した。

 長女が08年、亡くなった長男の子供3人を相手に「遺言は失効している」として、法定相続分に相当する2分の1の持ち分があることの確認を求めて提訴した。

 1審の東京地裁(08年)は「遺言は失効せず、長男の子供が遺産を相続する」と判断したが、2審の東京高裁(09年)は長女の請求を認めた。

 小法廷も「遺言に特別の記述がない限り孫に遺言の効力は生じない」と指摘し、長男の子供側の上告を棄却した。【伊藤一郎】

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