佐賀県玄海町の岸本英雄町長は13日、福島第1原発事故の影響で、定期検査に入り操業再開が延期されている九州電力玄海原子力発電所(同町)の2、3号機について「電力需要が高まる夏場まで再開を延期するのは現実的でない」と述べ、早期再開を容認する考えを明らかにした。ただ九電には「地震や津波だけでなくあらゆる災害に対する安全対策の徹底」と「十分な住民への説明」を強く求めるとした。西日本新聞の取材に答えた。
一方、九電の真部利応社長は3月30日の記者会見で、2、3号機は早ければ5月下旬に運転再開ができるとの見通しとともに「地元の理解を得なければならない」との姿勢を示している。
岸本町長は、運転再開容認の理由を「発電再開を延ばせば、いずれ九州の経済も立ち行かなくなる。住民生活への影響を考えれば、電気の安定供給が必要だ」と説明。だが、原発への不安が町民に広がっている点を憂慮し「九電には、津波や地震だけでなく、台風に伴う大雨やテロ行為に対する安全対策も徹底し、町民に安心感を与える必要がある」とも述べた。
=2011/04/14付 西日本新聞朝刊=