東北電力は31日、東日本大震災で被災し運転を中止している仙台火力発電所(宮城県七ケ浜町代ケ崎浜)と、新仙台火力発電所(仙台市宮城野区)を震災後初めて報道陣に公開した。両発電所とも津波被害を受け「今夏までの復旧は不可能」との見通しを示した。
同社によると地震直後、仙台火力は自動で、新仙台火力は手動でそれぞれ停止した。その後、高さ約5~3メートルの津波が防潮堤を乗り越え、両発電所の1階部分が冠水したり、関連施設などに被害が出た。社員は逃げて無事だった。
同社管内の電力使用量約789億キロワット時(09年度)のうち2発電所は約7%をまかない、供給電力は計250万世帯分(稼働率70%換算)という。現在は主に新潟や秋田など5火力発電所から送電を受けている。両発電所の中野仁所長は「今は調査やがれきの撤去をしている。4月中旬をめどにタービンやボイラーなどの点検も含めた本格調査に入りたい」と説明した。【清水優子】
毎日新聞 2011年3月31日 21時41分(最終更新 3月31日 22時15分)