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小田原市立病院:手当過払い問題 「幹部の職務怠慢」 外部調査委が結論 /神奈川

 小田原市立病院が循環器科の医師に宿日直手当(約4年間で1500万円)を過払いしていた問題で、同市は13日、外部調査報告を発表した。手当の制度変更があったのに事務職員への伝達が不徹底だったことが原因としつつ、過払いのうわさがあったもかかわらず真偽を確認せず、支給が続けられたのは病院幹部の職務怠慢があったと結論づけた。

 循環器科はCCU(循環器系特定集中治療室)で宿日直する医師に1回2万円の手当を支給してきたが、06年8月のCCU廃止に伴い、医師は院外での待機体制となり、手当は1万2000円に減額。ところが、従来額のまま支給され続け、差額が過払いになっていた。

 この問題は昨年5月に内部告発があり、内部調査を経て、市の顧問弁護士による外部調査委員会が発足。昨年10月に「過払いは故意ではなかった」などと結論づけていた。しかし、調査の客観性に疑義があるとして、昨年12月、別の弁護士らにによる新たな調査委を発足させていた。

 報告書によると、CCU廃止当時の課長が誤支給に気づいて院長に是正を進言したが、「それだけは勘弁してくれ」と言われたとされる。課長は医師確保が難しい中で、医師不足につながるようなことは避けてほしいという趣旨と理解し、改めるよう職員に指示しなかったと説明しているといい、報告書は「過払いを容認する配慮が介在した可能性がある」とも指摘している。

 これについて病院長は課長とのやりとりについて否定、11日付で外部調査委員長らに訂正を求める抗議書を提出している。同市は今月22日に懲戒審査委員会を開き、院長や担当者らの処分を決定する方針だ。【澤晴夫】

毎日新聞 2011年4月14日 地方版

 
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