2011年3月31日21時20分
菅政権は新年度予算での公共事業の執行を一律5%減らし、東日本大震災の被災地の道路網や河川、交通インフラの整備に重点配分する方針を固めた。国土交通省と農林水産省で計2400億円程度になる。
4月1日の閣議で予算執行の方針を決める。国交省分では国費ベースの公共事業費(4兆2261億円)の5%分にあたる2113億円を「震災枠」に充てる。都道府県分も含めた総事業費ベース(約12兆110億円)も5%減ることになりそうだ。その場合、総額6千億円規模の財源が復旧・復興費に向けられることになる。
農水省分は、農水産物の加工施設の整備などを含め296億円が削減、振り替えの対象。
公共事業は下水道や道路整備、港湾などの分野ごとに費用が割り振られる。同じ分野での予算の「つけ替え」は財務相の承認を得れば実施できる。ただ、異なる分野への予算の振り替えは国会の承認を得る必要があるため、野党の賛成が必要になる。
こうした措置は、1995年の阪神・淡路大震災の時に次いで2度目。当時は5%カットで推計5240億円(旧建設省分)を震災復興の費用に充てた。