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東日本大震災:「復興構想会議」議長に五百旗頭氏

五百旗頭真氏
五百旗頭真氏

 菅直人首相は6日、東日本大震災の復興計画をまとめる「復興構想会議」の議長に、防衛大学校の校長を務める五百旗頭真氏(67)を起用する意向を固めた。首相は震災発生から1カ月となる4月11日に同会議を設置するとしており、被害の大きい岩手、宮城、福島の3県知事にも参加を求めることを念頭に他のメンバーの調整を進めている。

 五百旗頭氏は阪神大震災を受けて作られたシンクタンクで災害対応や復興策を研究した。阪神大震災当時の政府・自治体首脳のほか、自衛官、消防士、ボランティアまで400人以上の体験談を聞き取るプロジェクトを主導しており、こうした活動を首相が評価した。

 首相は1日の記者会見で「『復旧』を超え、すばらしい東北、日本を作る夢を持った計画を進めたい」と復興計画で被災者に希望を持ってもらう意向を強調。津波対策のために高台の住居から海沿いの事業所に通勤する都市構想を例示し、「エコタウンや福祉都市の性格を持つ、世界のモデルになる町作りを目指す」と語っている。

 会議は有識者を中心に10人程度の規模となる見通しで、国会議員の起用は想定されていない。復興では津波で浸水した地域の国有化、公有化も大きな課題となるのは確実で、首相は土地利用の専門家の起用も明言している。また、会議の下に実務者による「分科会」を設置し、弾力的に復興策を練ることになりそうだ。

 阪神大震災の際は、首相の諮問機関として「阪神・淡路復興委員会」を設置。下河辺淳・元国土事務次官が委員長で、委員は被災地の兵庫県知事、神戸市長ら6人の計7人だった。「特別顧問」に後藤田正晴元副総理・法相らが名を連ねた。【宮城征彦】

毎日新聞 2011年4月6日 20時42分(最終更新 4月6日 23時24分)

 

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