京の水、首都圏などの注文お断り 「市民向け在庫減」
東日本大震災の影響で被災地や首都圏で水不足が続き、飲料水の注文が殺到する中、アルミ缶入り飲料水を販売する京都市上下水道局が首都圏など他都市の注文を断っていることが13日、分かった。同局は「もともと市民向けの商品で、在庫が減ってきたため」と説明するが、水不足の地域から「必要なところに優先的に回してほしい」との声が出ている。
飲料水は「京の水道 疏水物語」(490ミリリットル)。同局が市民の災害備蓄と水道水のPRを目的に2005年から年間約5万本を生産し、約2万本が売れている。
同局によると、3月11日の震災以降、被災地や首都圏からの注文が相次ぎ、同月の販売本数は約3万5千本と前年同月比の10倍に急増。当初、東北や関東の購入希望者にも宅配していたが、25日からは市外からの注文を受け付けていない。
現在も約6千本の在庫があり、市民には販売している。5月中旬に増産を予定しているが、同局は「市民向けの製品で、被災地には支援物資として4万2千本を送った。これ以上の受注はできない」としている。
一方、大阪市水道局にも飲料水の注文が殺到。3月の売り上げ本数は前年同月の7倍になったが、同局は被災地や首都圏への宅配を続けている。担当者は「在庫は減ってきたが、今後も困っている地域には優先的に水を送りたい」と話す。
首都圏では浄水場の水から基準を超える放射性物質が検出され、飲料水が不足している。東京都内のある自治体は「スーパーでもミネラルウオーターは品薄状態。できるだけ協力してほしい」としている。
【 2011年04月14日 10時11分 】
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