2011年4月14日4時33分
大阪府の橋下徹知事は13日、自身が代表の地域政党「大阪維新の会」が大阪市内で開いた全体会議で、「(今年11月ごろの大阪)市長選に合わせて知事を辞職し、(市長選と知事選の)ダブル選という政治日程をつくる」と明言した。維新の会幹部によると、橋下氏は大阪府・市再編を進めるため、市長選に出馬する方向で検討している。
大阪市の平松邦夫市長の任期は今年12月まで。また橋下知事の任期は来年2月まで。橋下氏はダブル選を「大阪秋の陣」と表現し、「市長選、知事選で大阪の将来像を決め、大阪市役所に従わせる」と述べた。
維新の会は10日の統一地方選前半戦で、府議会では過半数を獲得、大阪市議会でも第1党となった。橋下氏は市議会で過半数に達しなかったことを理由に、「大阪都構想」の名称や内容を見直すことを表明。大阪の形を変える「大綱」づくりを始め、9月ごろにその案を発表して他党と公開で議論し、意見が分かれた場合はダブル選の争点にする考えを示した。
橋下氏は会議で、ダブル選について「候補者は僕かどうかは別」と述べ、辞職後に市長選にくら替え出馬するか、再び知事選に出るかは明言しなかった。
だが、複数の維新の会幹部は「橋下氏は市長選に出馬することで腹を固めている」と説明。「役人の力が強い難攻不落の大阪市役所を改革できるのは橋下氏しかいない」としている。
また橋下氏は13日の記者会見で、キャスターの辛坊治郎氏、前横浜市長の中田宏氏の名前を挙げ、考え方が同じだと強調した。維新の会では、辛坊氏を知事選候補に、中田氏を大阪市の副市長に想定している。
一方、平松市長は13日、府・市再編をめぐる府側との協議に応じる姿勢を示したが、都構想にあった大阪市を分割して公選区長を置く特別区の導入については「公選ですべて解決するものではない」と批判した。
大阪府の橋下知事と名古屋市の河村市長は、選挙で議会の多数派を塗り替えることによって公約実現をめざす。「ケンカ民主主義」は新たな本流になるのか。