神奈川県知事選で初当選を決めた黒岩祐治次期知事は11日、日本経済新聞のインタビューに応じた。東日本大震災を受けて打ち出した太陽光発電パネルの普及に向け、資金面で家庭などの設置を後押しする新会社を県が出資して8月までに設立する方針を明らかにした。次世代送電網(スマートグリッド)整備と合わせまちづくりや産業政策と連動させる考えも示した。
――選挙公約で太陽光パネルを4年間で200万戸に導入する計画を掲げた。今後の段取りは。
「住宅や事業者へのパネル設置に必要な費用を金融機関から借りる際、県の出資会社が信用保証し、導入に弾みをつけたい。発生した電力の売却収入を融資の返済に充てる仕組みを軸に考えている」
「原子力発電に依存したエネルギー政策から太陽光発電の時代に変えるプロジェクトだ。新会社は県議会の審議を経て8月までに作りたい」
――製造業などで海外への企業流出が進んでいる。どのような産業政策を進めるのか。
「太陽光発電の普及は実は、1つの入り口にすぎない。太陽光発電に電気自動車(EV)やスマートグリッドなどを組み合わせた街づくりを通じてソフトも含め関連する産業も活発化させたい。太陽光発電や医療分野の周辺産業で企業を呼び込み、地元の雇用増加につなげていきたい」
「鎌倉など湘南の渋滞対策では郊外に車を止めて街中はEVに乗り換える取り組みも進めたい」
――日本一の医療体制を選挙公約に掲げた。どう構築するのか。
「県内の医療体制の課題を洗い出し、グランドデザインを描き直す。病院へのアクセス、(医療)コストとクオリティーという3つの条件のうち、少なくとも2つは満たせる体制にしたい。東京都にはすべての救急患者を24時間態勢で診察する『東京ER』(救急室)があるが、『神奈川ER』があってもいい」
――震災を踏まえ防災対策の見直しも急務だ。
「県内の沿岸を10メートルを超える堤防で埋め尽くすのは無理がある以上、防災よりも減災に力を入れる。5分で5階以上に避難できるビルなどを景観に配慮しながら整備すべきだ。近隣都県との連携も重要で緊急物資の輸送に自治体が持つヘリを活用するのも有効だろう」
――震災の影響は観光地にも及ぶ。外国人観光客の倍増という公約に向けた取り組みは。
「開館当初しか客が集まらない博物館や遊園地を建設するような経済再生につながらないお金の使い方はしない。市町村の創意工夫に任せながらまずは連携の旗を振る」
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