ラミ、由伸連弾で連勝！東北へ届け「Ｗｅ　ａｒｅ　ｏｎｅ」

４回無死、左越えに今季１号ソロを放ったラミレス（右）は高橋に迎えられる

　◆巨人３―０ヤクルト（１３日・北九州）　ラミレスが“連帯”をバットで示した。４回、由規から左越えへ先制の今季１号。震災被災者へ「Ｗｅ　ａｒｅ　ｏｎｅ（私たちは一つ）」と手話で訴えかけた。直後に５番の高橋由も左中間へ連弾。３番・小笠原も貴重なタイムリーとクリーンアップがそろって打点を挙げた。投げては内海―久保―山口のリレーでヤクルト打線を完封。１９７７年から続く北九州での連勝を９に伸ばした。球団史上初となる地方球場からの開幕シリーズも連勝で、最高のスタートを切った。

　打った瞬間に分かる豪快な一発。ラミレスは二塁ベースを回ると、被災地を思った。興奮を抑えながらベンチに戻り、テレビカメラの前でゆっくりと手話を始めた。

　右の手のひらを地面と平行に時計回りに回し、右人さし指で左胸を指した。「Ｗｅａｒｅｏｎｅ（私たちは一つ）」。最後は右拳を下から突き上げ「頑張ろうニッポン」と叫んだ。「日本を少しでも元気づけられたら」と、心を込めてメッセージを送った。

ラミレスはカメラに向かって手話を披露

　「早く１号を打って、被災地に僕の気持ちを伝えたい」と話した通り、開幕２戦目で飛び出した。両軍無得点の４回先頭、由規の低めスライダーをすくい上げた。「低めだったけど、とらえた瞬間入ると思った」。飛ばないとされる統一球対策で、打つポイントをボール１個分投手寄りにした。ベスト体重１００キロの体もキレて、力強い先制弾が左翼席へ飛び込んだ。

　耳の聞こえない被災者に向けて考案した今回の手話。「しっかり勉強したい」と、専属マネジャーの亀田恭之氏（３９）を通じ、保育士である手話の先生を紹介してもらった。正しい指の使い方や動きなどの写真を取り寄せた。指の本数が違ったり、手のひらの角度を間違えれば全く違う言葉になることを教わり、毎晩、寝る前に練習した。

４回無死、高橋が２者連続となるソロアーチ

　ラミレスに続いて左中間席へ運んだ由伸とのアベック弾でチームは９８年以来、１３年ぶりの開幕連勝スタート。北九州での連勝は９に伸びた。原監督は「私自身も開幕からいいスタートを切った記憶はあまりない。隙のない野球が２試合できたということですね。ラミはもちろん、由伸のも効きましたね」と何度もうなずいた。この球場では新人時代の８１年４月２２日にサヨナラ弾、９１年５月１６日にはソロと、大洋（現横浜）相手に２本塁打をマーク。球団では自身以来となる一発を放った２人をたたえた。

　試合後のお立ち台で、ラミレスは再度、「頑張ろうニッポン」と呼びかけた。義援金１００万ドル（８０００万円）をすでに送っている主砲は今年１年間、メッセージを継続することを決めている。チームの日本一奪回、そして被災地の復興を祈りながら全力で走り出した。