内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)は12日、10年版「原子力白書」の公表を中止することを決めた。東京電力福島第1原発の事故を受けた対応。
同白書は日本の原子力政策の動向や課題を盛り込み、10年版は海外への原発輸出を中心にとりまとめて近く公表する予定だった。
近藤委員長は「この時期に公表する白書には、事故を踏まえた国民へのメッセージが必要だが、収束の見通しがつかない中、短期間で(内容を)見直すのは難しい」と述べた。
同白書は、茨城県東海村の核燃料加工会社JCOの臨界事故や、東京電力の原発トラブル隠し問題などの影響で、99年版から02年版まで連続4回、発行が中止されている。【足立旬子】
毎日新聞 2011年4月12日 18時36分(最終更新 4月12日 23時55分)